[2025年大麻・CBD業界]モーリー・ロバートソンの逆張り予測

(当記事は、『2025年業界トレンド・ニュース予測』に寄稿された記事です)

2025年の日本における大麻・CBDの展望は、医療を除いて明るくない

その理由は、政治とマスコミが本件に関して「鎖国」の姿勢を貫いているからだ。

大麻(麻)とハードドラッグや合成新型ドラッグのリスク比較も広く報じられず、「汚染」というキーワードで片付けられている。

結果、国民は肝心な情報が与えられないまま、プロパガンダのように偏った「ダメ。絶対!」情報を深く信じ込んでおり、合法化や規制緩和の議論そのものがまだ成り立たない。

大麻のリスクとベネフィットを公正に判断できる状態はまだまだ遠いと言わざるを得ない。

長らく「アメリカの合法化の波がいずれ日本にも来る」と言われていたが、アメリカの連邦レベルでの合法化は現在、棚上げの状態だ

トランプ氏は、大統領選の最中には、民主党を指示する若者世代の支持を取り付けるべく合法化への容認を口にしたが、実行に移すかどうかは怪しい。

第二次トランプ政権が始まると移民排斥、中国への関税、政府機関の再編成、減税、外交上の孤立主義シフトなど、支持層が喜びそうな政策が優先されるだろう。

一方、大麻の合法化を後押しする要因として考えられるのは、イーロン・マスクなど政権のインサイダーからの助言だ。

日本のマスコミには構造的な欠陥がある

政府、スポンサー、世論の主流など「その都度、強い側につく」という習性が報道の現場にまで染み付いていて、「バッド・ニュース」や「考えるべき内容」を積極的に報じるインセンティブがない。

また報道がバラエティー化し、専門家よりも文化人や芸能人のニュースに対するコメントが共感を呼ぶという慣例も、国際的には異様に見える。

結果、現存のルールや体制に対して、疑いがなかなか生じない建付けとなっている。

出演者としては、大麻の合法化や合法化に関する議論を提言するだけでリスクを負うことになる。

一方で風向きが変わった時のマスコミの手のひら返しも早い

2010年代は、あれだけ脱原発を強く打ち出していた報道の論調が、今やインフレ対策としての原発再稼働を待ち望むトーンへとシフトしつつある。

また、自民党に忖度した政治報道も、少数与党へと転落したタイミングで厳し目、いや「まとも」になりつつある。

さらに芸能報道ではアンタッチャブルだったジャニーズ事務所のスキャンダルをBBCが報じたことがきっかけで「沈黙の壁」が打ち砕かれ、今ではジャニー喜多川氏の生前の性加害を細かくワイドショー的に報道し続けている。

無節操だが、逆にとらえると将来「大麻は賊軍ではなく官軍」というシグナルが出た途端、こぞって大麻礼賛へと雪崩を打つシナリオも考えられるということだ。

日本で大麻に関するロビー活動を展開する上で、東京電力を筆頭に原子力業界の戦略が参考になるだろう

政治家へのアプローチ、経済界へのアプローチ、そして広報を地道に続けた同業界は今、形勢逆転にあと一歩というところまで近づくことができている。

逆に「すべての原発を廃炉に!」と叫び続けてきた共産党、れいわの影響力は風前の灯火。

「夏草や 反原発が 夢の跡」である。

「大麻は科学的に検証した結果、アルコールやニコチンよりも人体への害が少ない

また医療の用途も幅広く期待できる」という主張に客観的なデータを添えたとしても、上記のハードルが立ちはだかっているため、世論を換気することは困難である。

その一方、大麻合法化には大きな経済メリットがあるため、政治家も財界も潜在的なうまみには注目している。

「急がば回れ」の精神で議員を赤坂の料亭で一人ひとり説得し、抱き込んでいくような手練手管が求められている。

また地方選挙も狙い目かもしれない。

「医療大麻産業の振興」を公約して当選する議員が続出すれば、維新の躍進にも似たムーブメントが想像できる。

日経新聞や朝日新聞など、過去に合法化、医療大麻に好意的な報道をしたメディアを狙い撃ちして記事を書きたくなるパッケージを提案していくことも有効だ。

つまり「大麻の電通」になる心構えが必要だと思う。

アメリカの合法化の歴史を辿るとベトナム戦争時の反戦運動が広範な若者の抵抗運動、カウンターカルチャー運動へと広がっていく過程で大麻使用は「大人たちの権力に中指を立てる」シンボリックな行為として広まった

大麻のみならずサイケデリック・ドラッグの使用をハーバードの教授だったティモシー・リアリーなどが提唱したことも大きかった(リアリーはその後拘束され、収監もされるが残した影響は大)。

さらにビートルズのような大物バンドが、大麻やドラッグ全般の「危ない楽しみ」を暗号として数々のヒット曲に盛り込んだことも大きかった。

これらはまず大学生や知識人層に深く浸透し、年月を経て社会の主流へと成熟していった。

日本の時計はアメリカとはかなり違うが、知識人層に大麻への客観的な認知を広めるのは有効な手段となるだろう

文学者、アーチスト、学者は論を組み立てたり、作品に濃縮したメッセージを込めることができるので、SNSの発信に比べて桁違いの効力をロングタームで発揮する。

厚生労働省の発信や、それに同調した大手メディアの報道が陳腐な「お役所口調」であり続けることは、開拓しがいのある「空き地」がそこにあることを示唆している。

大麻合法化はぶっちゃけ「おしゃれ」であり、これからの世代の「主流」であるというイメージを浸透させることは5年先の日本に向けた布石になるだろう。

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