【丸ごと解説】大麻(麻)の歴史

アリー
CBDオイルって、原料は大麻なんでしょ?大麻っていつから使われ始めたの?
アリー
人間と大麻の関わりは長いよ。直近からさかのぼってみよう!
この記事は、

「大麻の歴史について知りたい」
「大麻はいつから禁止され始めたの?」

という方のためにお届けします。

大麻というと、危険でダーティなイメージを持たれている方もいらっしゃると思いますが、麻やヘンプと同じ植物。

その大麻の評価とイメージが今、世界各国で変わりつつあります。

正しく使えば、人の健康に大きなプラス効果を与えるというのです。

といっても、厚労省が掲げる「ダメ。ゼッタイ」というメッセージの印象が強い私たち日本人にとっては、いきなり「大麻(麻)=健康」と言われても、信じがたい上に、戸惑うことでしょう。

やはり何事も正しい理解の第一歩は、ルーツや歴史を知ること。

下記に大麻の歴史を年表化しましたので、ご覧ください。

大麻年表

未来

出来事 場所
2022年 合法大麻市場204億ドル、違法大麻合わせると485億ドルの見込(New frontier Data) アメリカ

2000年代〜現在

出来事 場所
2019年 4月 ザ・ハニーポットがオープン カナダ
2019年 3月 バーニーズ・ニューヨークが大麻セレクトショップをビバリーヒルズ店オープン アメリカ
2019年 3月 バーニーズ・ニューヨークが大麻セレクトショップをビバリーヒルズ店オープン アメリカ
2018年 マルボロ、フィリップモリス会社がクロノスに投資 アメリカ
2018年 コロナビール会社がキャノピー・グロースの株式取得 アメリカ/カナダ
2018年 12月 医療用大麻の輸出を許可する法案が通過 イスラエル
2018年 12月 トランプ大統領、産業用大麻栽培を合法化する農業法案(連邦法)に署名 アメリカ
2018年 10月 嗜好用大麻合法化 カナダ
2018年 6月 嗜好用大麻合法化可決 カナダ
2018年 メッドメンがニューヨーク五番街店オープン アメリカ
2018年 1月 医療用大麻の輸出解禁 オーストラリア
2017年 ハイネケンが持つラグニタスがIPAビール発表 アメリカ/オランダ
2017年 ロサンゼルスにグリーンツアー創設 アメリカ
2017年 薬局で大麻購入可 ウルグアイ
2016年 参議院選挙で高樹沙耶立候補 日本
2016年 新党改革、荒井広幸代表が国会で答弁 日本
2016年 3月 山本正光医療裁判。7月に死去し公訴棄却 日本
2016年 カリフォルニア州が嗜好用大麻合法化 アメリカ
2016年 医療用大麻合法化 オーストラリア
2015年 医療用、科学研究用の栽培を合法化 オーストラリア
2015年 ワシントンD.Cが嗜好用大麻合法化 アメリカ
2014年 コロラド州が嗜好用大麻合法化、流通開始 アメリカ
2013年 大麻の栽培と販売、消費を合法化。嗜好用大麻合法化 ウルグアイ
2012年 合法大麻市場11億ドルの見込(New frontier Data) アメリカ
2012年 コロラド州、ワシントン州が嗜好用大麻合法化 アメリカ
2010年 カリフォルニア州が嗜好用大麻否決 アメリカ
2010年 メッドメン創業 アメリカ
2000-2018年 医療用大麻合法化 カナダ
2000-2018年 認可を受けた製薬会社が製造する大麻医薬品について、合法的な使用を認める法律を整備 カナダ
2000年 コロラド州が医療用大麻合法化 アメリカ

1980〜90年代

1998年 産業用大麻合法化 カナダ
1998年 アラスカ州、オレゴン州、ワシントン州が医療用大麻合法化 アメリカ
1997年 医学雑誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン編集長、ジェローム・カシラが論文『連邦政府の愚かさとマリファナ』で大麻のスケジュール1分類見直しを主張 アメリカ
1996年 11月 カリフォルニア州が医療大麻合法化 アメリカ
1995年 医学雑誌ランセット編集部が論文『奪われゆく大麻の魅力』で大麻の有害性を否定 イギリス
1994年 国立薬物乱用研究所の博士、ジャック・ヘニングフィールドとカリフォルニア大学の博士、ニール・ベノウィッツがマリファナのリスク評価を発表(ニコチン、ヘロイン、コカイン、アルコール、カフェインの中で最も低い) アメリカ
1993年 カンナビノイド受容体『CB2』を発見
1992年 内因性カンナビノイド『2-AG(アラキドノイルグリセロール)』を発見 日本
1992年 エンドカンナビノイドシステム発見 イスラエル
1992年 内因性カンナビノイド『アナンダミド』を発見 イスラエル
1990年 エイズ患者に初めて医療用大麻のコンパッショネートが認められた アメリカ
1988年 『麻薬取締局(DEA)』フランシス・ヤング裁判官が「規制分類を見直すべき」と判決 アメリカ
1988年 薬理学者、アリン・ハウレットにより、カンナビノイド受容体『CB1』を発見 アメリカ
1985年 合成カンナビノイド製剤『マリノール』がFDA(アメリカ食品品局)に承認 アメリカ

戦後〜1970年代

1976年 少量の大麻の所持や販売を非犯罪化 オランダ
1976年 退行性緑内障を患う患者(ロバート・ランドール氏)が連邦裁判で大麻使用を認められる。その後、1978年にアメリカ初の合法医療大麻患者に アメリカ
1976年 『薬用乱用に関する全米学会(NIDA)』と『麻薬取締局(DEA)』が大麻の研究を事実上禁止 アメリカ
1973年 オレゴン州が少量の大麻所持や吸引を軽犯罪扱い アメリカ
1972年 アメリカ大麻・薬物乱用委員会が「マリファナが原因の精神異常のケースはほとんどない」と発表 アメリカ
1970年 大麻規制の根拠となる規制物質法制定。医療用含めて大麻の使用と販売が禁止(スケジュール1) アメリカ
1968年 イギリス薬物依存諮問委員会が「大麻を長期に使用しても適度なら害はない」と発表 イギリス
1964年 科学者、ラファエル・メシューラムにより、THC(テトラヒドロカンナビノール)発見 イスラエル
1963年 大麻研究に着手 イスラエル
1961年 『麻薬に関する単一条約』採択(日本は1964年に加盟) 国連
1951年 日本薬局方と大麻削除 日本
1948年 『大麻取締法』施行 日本

1900年代〜戦前

1944年 ニューヨーク市が大麻の有害性調査において「大麻の長期使用は肉体的・精神的・道徳的な退行につながら図、継続的に使用した場合でも、何らかの永続的な有害効果は認められない」と発表 アメリカ
1941年 アメリカ薬局方と連邦処方類から大麻削除 アメリカ
1937年 『大麻課税法』により、実質的に禁止 アメリカ
1933年 『禁酒法』廃案 アメリカ
1932年 『統一大麻法案』採択 アメリカ
1925年 『不思議によく利く薬草薬木速治療法』発刊 日本
1900年 100以上の医学論文が発表 アメリカ
1900年 吐き気、リウマチ、陣痛、ぜんそく等に大麻由来の医薬品が発売 アメリカ

紀元後〜1800年代

1894年 インド大麻委員会が「精神病のほとんどのケースで大麻が原因と考えられない」と発表 インド
1890年 ヴィクトリア女王の主治医ラッセル・レイノルズが生理痛に効果があったことを記載 イギリス
1886年 日本薬局方に大麻が記載 日本
1860年 オハイオ州医学会でアメリカ初の医療大麻の研究会が開催 アメリカ
1850年 アメリカ薬局方に大麻が記載 アメリカ
1843年 ウィリアム・オショーネシーが『インド麻、ガンジャの調合』を発表 アイルランド
1843年 医師、ジョン・クレンディニングが『インド大麻草の薬効成分の報告』を発表 イギリス
1842年 イギリス薬局方に大麻が記載 イギリス
1839年 ウィリアム・オショーネシーが大麻の研究結果を発表 アイルランド
1798年 医師、ウイリアム・オショーネシーが西洋医学に取り入れる。深刻な副作用はないとされ、製薬業界で注目 アイルランド
1798年 ナポレオンがエジプトからフランスへ持ち帰る。鎮痛・鎮静作用の調査が行われ、腫瘍、咳、黄疸の治療に使用 フランス
1709年 貝原益軒が刊行した『大和本草』で、実生活に役立つ三草の一つとして「大麻(麻)」を指定。 日本
1500年 スペインの遠征により、医療用および嗜好用としてアメリカに伝わる スペイン
1025年 イスラムの哲学者・医学者であるイブン・スイーナーが治療の研究所を執筆。19世紀まで広く読まれ西洋医学に影響 中央アジア
13世紀 宗教的指導者が医療に使うのは良いと認める モロッコ
1000-1464 学者がてんかんの治療に処方 アラビア

紀元前

450BC-200BC 内科医が歯科や耳痛に処方。女性が陣痛の痛みを軽減するために使用 古代ローマ
900BC 嗜好用、医療用として使用 アッシリア
15600BC-1200BC ラムセス2世のミイラから大麻の花粉が発見 エジプト
15600BC-1200BC パピルスに「怒りを鎮める薬」として記述 エジプト
2000BC-1400BC 蒸気風呂で炊いたほか、種を燃やして埋葬の儀式に使用 スキタイ
2000BC-1000BC 祈祷や埋葬などの宗教行事で大麻を吸い「幸せの源」「楽しみや自由をもたらすもの」として記録 インド
4000BC-2000BC 中国最古の薬物書『神農本草書(紀元2世紀頃)』には100種類以上の病気に有効な薬として、皇帝に認められていた 中国
4000BC-2000BC 五穀として育てられ、布やロープ、紙、オイルとしても使用 中国

大麻(麻)の歴史を丸ごと解説した動画



<参考文献>
▶︎医療大麻入門(長吉秀夫)
▶︎マリファナはなぜ非合法なのか?(S.フォックス、P.アーメンターノ、M.トヴェルト)