(当記事は、アメリカでの法律、研究に基づいて作成されています)
大麻(麻)カルチャーではおなじみのスラング(隠語)「420(フォー・トゥエンティ)」には、現代のポップカルチャーに根付く、多くの意味・通説・メッセージが込められています。
「420」というスラング自体は、基本的に大麻カルチャー、または大麻の使用全般を意味します。
主に4時20分(午前/午後を問わず)に摂取され、4月20日が世界的に大麻を祝う記念日になるなど、大麻カルチャーを代表する数字です。
また420は、大麻の使用・文化・ライフスタイルをどれだけ理解しているか?が分かる目安としても使われています。
「420(フォー・トゥエンティ)」の起源は?
最も有力視されている起源は、サン・ラファエル高校に通っていた学生たちの話です。
彼らは主に校舎裏等でたむろし、自身を『ザ・ウォルドス』と呼んでいました。
「420」のきっかけは1971年、アメリカ沿岸警備隊員ゲイリー・ニューマンがカリフォルニア・レイズ岬で密かに育てていた大麻草を横取りするための冒険を称したことでした。
▲ 大麻カルチャーでは「420」と言われ、主に摂取時間(午前/午後4:20)や記念日(4月20日)を表しています(写真:ジーナ・コールマン/ Weedmaps)
ニューマンの義兄は『ザ・ウォルドス』に「見つけられれば、君らのものだ」と言い、ニューマンの育てていた大麻草までの地図を譲りました。
『ザ・ウォルドス』は、この宝探しの合言葉を『420 Louis』としました。
この合言葉と共に、部活が終わった午後4:20に校舎前にあるルイ・パスツール像に集合した者だけが参加可能でした。
その後、合言葉は「420」だけになり、宝探しが終わっても、このスラングだけは残りました。
スラング「420」は、雑誌『ハイ・タイムズ』の編集者をしていたスティーブン・ハガーにより、広く知られるようになりました。
というのも、1991年5月の記事で、ロックバンド『グレイトフル・デッド』の信者が「420」という単語を使っていたことについて触れ、4:20を大麻摂取時間とし「4/20」を記念日とすることを提唱したのです。
そもそもはさかのぼること1990年12月28日。
オークランドで開催された『グレイトフル・デッド』のイベントで”Deadheads(バントの熱狂的ファンコミュニティ)”が「4月20日の4時20分に大麻を吸う」ことを募ったチラシを配り、当時のスティーブン・ハガーの手に渡ります。
ハガーは、このチラシを1991年『ハイ・タイムズ』5月号に掲載し、4月20日を『Stoner Holiday(常習者記念日)』とすることを提案したといういきさつです。
1998年には『ザ・ウォルドス』をスラングの名付け親として発表しています。
また『ザ・ウォルドス』のウェブサイトには、自身の経験やスラングの起源を語ったビデオ等を掲載しています。
420にまつわる都市伝説
「420」についてよく語られるのは、その起源です。
『ザ・ウォルドス』の話が知れ渡る前は、以下の都市伝説も語られていました。
カリフォルニア刑法
よく語られるのは「カリフォルニア州の警察官が、大麻使用を報告する際に刑法420条を適用していた」という話です。
しかしこの説を裏付ける証拠はありません。
実際のカリフォルニア刑法420条は、公共の場での立入禁止行為等の軽犯罪に関する条文です。
▶︎ カリフォルニア州法、刑法-PEN§420(FindLaw:英文)
大麻に含まれる化学物質
もう一つの有力説は「大麻に含まれる活性物質の数が420種類」です。
しかし、大麻で2番目に多く含まれており、酩酊作用のない物質CBD(カンナビジオール)を含め、活性物質は500種類以上発見されています。
この説も、信憑性は薄いでしょう。
ボブ・ディラン「Rainy Day Women #12 & 35」
あまり広く知られていませんが、ボブ・ディランの曲『Rainy Day Women #12 & 35』のタイトルや歌詞を分析した説もあります。
歌詞の一部に「Everybody must get stoned (みんなで酔いしれよう)」とあります。
その上で、タイトルの数字、12と35を掛け算すると420になりますが、果たしてそれが起源か?は定かではありません。
国際的祝日、抗議の日、その他イベントの日
4月20日は世界的な祝日です。
多くの人にとって、大麻の合法化・使用許可、またきちんとした教育について主張する日になりました。
元々、大麻反対運動等もされていましたが、大麻合法化と認知度の向上により、商業主義に拍車をかけており、様々な主義が入り混じった世界的イベントに発展しています。
特に、2018年アメリカ農業法(大麻農業法)やWHO(世界保健機関)による安全性に関する声明発表は、4月20日のお祝いムードをさらに高めています。
それまで大麻に抵抗感を抱いていた方でさえも、酩酊作用がないということで、CBDで4月20日を祝います。
大麻の合法化が進み、大麻産業の収益が増加するにつれ、出版社や放送局らは消費者の関心事として4月20日を取り上げるようになりました。
また、合法化が広まるにつれ、420集会・展示会・コンサート等のイベントの数が増えています。
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▲合法化が広まるにつれ、420集会・展示会・コンサート等のイベントの数が増えています。(写真:ジーナ・コールマン/ Weedmaps)
コロラド州デンバーの『カンナビス・カップ』は、大麻産業で最も有名な420イベントの一つです。
カリフォルニア州サンフランシスコ市では、ヒッピー・ヒル(ゴールデン・ゲート近郊)に数千人が集まり、大麻織物・ガラス商品・関連アート作品や音楽等、そして何より近年は合法化されたこともあって、摂取と共に大麻を祝います。
カナダ人の大麻愛好家は、非公式ではあるものの、オンタリオ州のカナダ議会、ケベック州のモン=ロイヤル公園モニュメント、アルバータ州アルバータ州議事堂、ブリティッシュ・コロンビア州サンセットビーチやバンクーバー美術館等各地の公的施設やモニュメントに集合し、祝日を盛り上げています。
420と政治や政策
2001年『アメリカ保険福祉省薬物乱用防止センター』は「4:20です。子どもたちがどこで何をしているか知っていますか?」という公文書を発表しました。
2003年には、カリフォルニア上院が、医療目的の大麻使用を規制する法案420を定めました。
法案名は、大麻カルチャーを象徴する「420」が使用されています。
2010年グアムでも、大麻合法化に向け、新たに法案420を定めようとしましたが、これは失敗に終わりました。
ポップカルチャーにおける420
ポップカルチャーでは、420は定期的に様々な映画、テレビ番組等に取り扱われます。
主に「わかる人には面白いネタ」として扱われてきました。
わかりやすいのは、4月20日に大麻関連の作品(楽曲やテレビ番組シリーズ等)を発表することです。
- 『パルプ・フィクション』:映画界で最も悪趣味なシーンとして、質屋の壁掛け時計がすべて4時20分を指しているシーンがあります
- 『ファミリー・ガイ』:2009年シーズン7エピソード12のタイトルは「420」でした。エピソード自体は、一日早い4月19日に放映され、大麻の合法化にまつわる内容でした
- 『ウィリー・ネルソン』:2012年4月20日、アルバム『HERO』に楽曲『Roll Me Up and Smoke Me When I Die (俺が死んだら巻いて吸ってくれ)』を収録しています
420の実践
420を祝う日は4月20日ですが、実際に祝う行為はいつ実践しても構いません。
商品を調べたり、ディスペンサリー を探すのは、まだまだハードルが高い状況です。
何より大麻情報の幅広さと奥深さについて、最初は戸惑うかもしれません。
しかし大麻カルチャーにおいて初心者も熟練者も関係ないのです。
420はみんなのものなのです。
『ウィードマップス(weedmaps)』レスリー・ニックスによるレビュー(2021年6月18日)
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※記事はアメリカでの法律、
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