(当記事は、アメリカでの法律、研究に基づいて作成されています)
アルツハイマー病(AD)に伴う認知症を患う患者さんが、植物から抽出したカンナビノイド成分を持続的に使用すると、認知機能の改善が見られることが明らかになりました。
このデータは、『Journal of Alzheimer’s Disease』誌に掲載された、偽薬(プラセボ)と比較した信頼性の高い臨床試験によって示されたものです。
▶︎ A randomized clinical trial of low-dose cannabis extract in Alzheimer’s disease(2025年10月29日 Journal of Alzheimer’s Disease:英文)
ブラジルと米国の国際的な研究チームは、ADに伴う認知症患者さん28名を対象に、低用量の大麻抽出物と偽薬の効果を比較しました。
試験の参加者は、THC(テトラヒドロカンナビノール)とCBD(カンナビジオール)をバランス良く配合した抽出物、または偽薬のどちらかを、26週間にわたって毎日摂取しました。
患者さんの認知能力は、試験開始前と、その後4、8、12、26週目に評価されました。
偽薬を投与された患者さんは認知能力の全般的な低下が見られた一方、大麻を投与された患者さんは認知機能の改善を示しました。
研究者らは、大麻の効果を従来のアルツハイマー病治療薬よりも「優れている」と記述しています。
また、体に良くない反応(有害事象)の点において、2つのグループ間で統計的に意味のある差は見られませんでした。
研究の著者らは次のように結論づけています。
この試験では、AD患者さんに極めて低用量の大麻抽出物を投与しました。その結果、偽薬グループと比較して、6ヶ月の追跡期間で認知機能の低下が著しく和らいだことを報告します。ADの進行は認知機能の低下を加速させるものです。それを踏まえると、我々は大麻治療によって半年間で病気の進行を顕著に安定させることができたと言えます。
この研究は、ADに伴う認知症患者さんに対する大麻の効果を評価した、これまでで最も長期間の臨床試験です。
この研究結果について、市民団体『NORML』の副代表であるポール・アルメンタノ氏は次のようにコメントしています。
大麻を使用した患者さんでは、認知能力の数値に変化が見られました。その一方で、睡眠の質といった二次的な項目では、同様の改善は見られませんでした。このことから、認知機能の改善は、他の生活の質(QOL)向上による間接的なものではなく、大麻が直接働きかけた結果である可能性が示唆されます。
先月『Journal of Psychopharmacology』誌に、複数の研究をまとめた論文が掲載されました。
それによると、「カンナビノイドは、認知症の人の興奮や攻撃性といった症状を管理する上で有望な可能性を示しており、全体として安全性や体への負担の少なさも良好である」とされています。
がんや全般性不安障害、その他の症状を患う患者さんも、カンナビノイド治療の後に同様の認知機能の改善を示しています。
本試験の全文「アルツハイマー病における低用量大麻抽出物のランダム化臨床試験」は、『Journal of Alzheimer’s Disease』誌に掲載されています。
大麻とアルツハイマー病に関する追加情報は、NORMLの出版物『Clinical Applications for Cannabis and Cannabinoids』から入手可能です。
▶︎ Assessing Health-Related Outcomes of Medical Cannabis Use among Older Persons: Findings from Colorado and Illinois(2020年8月26日 Clinical Gerontologist:英文)
編集部まとめ
本記事で紹介されたアルツハイマー病に関する研究は、私たちに重要なヒントを与えてくれます。
それは、カンナビノイドが単なる「リラックス」や「睡眠サポート」といった目的を超えて、人生の後半におけるQOL(生活の質)を維持するための、本格的なセルフケアの選択肢になりうる、という可能性です。
日本でも、超高齢社会の中で「薬に頼りすぎず、自分の心身を日常的にケアする文化」への関心が高まっています。
もちろん、この記事は特定の病気の治療法を示すものではありません。
しかし、自分の身体の声を聞き、健やかな毎日を送るための選択肢を自ら学ぶこと。その一つのきっかけとして、CBDをはじめとするカンナビノイドの可能性に、私たちはこれからも注目していきたいと思います。
『ノーマル(NORML)』編集部の投稿
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