【体験記】世界最大級の大麻(麻)エキスポ『カンナフェス2023』


当記事は、

「『カンナフェス2023(Cannafest2023)』って、どんなエキスポ(展示会)?」
「ヨーロッパの最新CBD事情が知りたい!

という方のためにお届けします。

『カンナフェス2023(Cannafest2023)』の概要

みなさんこんにちは!

私たちCBDライブラリーが毎年注目し、今年で13回目を迎える欧州最大の大麻(麻)エキスポ『カンナフェス2023』がチェコ共和国のプラハで開催されました。

イベント名称 カンナフェス2023
公式URL ▶︎ Cannafest
開催期間 2023年11月3日〜5日(11:00〜20:00:最終日は18:00まで)
会場 PVA EXPO PRAHA(チェコ:プラハ)
入場料 ・1日券:前売200CZK/8€、当日券250CZK/10€
・3日通し券:前売300CZK/12€、当日券400CZK/16€※チケットの譲渡は不可
※65歳以上の方、障がい者は入場無料。
内容 ・世界中から大麻関連事業者が集い、CBDオイルや食品・化粧品・衣服のほか、栽培器具や肥料・種・喫煙用具・ヴェポライザー(蒸気吸入器)など、幅広い商品が出展されます
・知識啓蒙メディアや、大麻を自然資源として利用する企業、医療大麻合法化団体による、様々なテーマのカンファレンスも開催されます
主催 Cannafest, s.r.o.

カンナフェスは、大麻やCBDに関する最新の商品・トレンド・研究成果が展示されます。

一般消費者はもちろん、事業者や研究者や投資家など、3万人以上の参加者と300以上もの出展者が集まり、それぞれの観点から大麻産業に関する知識と経験を共有します。

日本のように規制が厳しい国にいる者として、これらの情報は非常に貴重です。

今回の体験記ではカンナフェスのハイライトや注目の展示をシェアします。

卸販売から輸入支援、分析検査、視察ガイド、資格取得支援まで豊富なラインナップ

『カンナフェス2023(Cannafest2023)』の展示内容

展示ブースは、CBD・ベイプ・種・器具・抽出・栽培・グロウショップ・公的機関・メディア・資源・アートにカテゴライズ。

日本では取り扱えないバッズ(花)や種、THC(テトラヒドロカンナビノール)を活用した商品も披露されました。

いずれも単に新しいだけでなく、健康やエコフレンドリーという現代の消費者のニーズに応えるものでした。

これだけ多様な商品・サービス・技術が一堂に会する機会は日本になく、あらためて、大麻の多面性と奥深さを印象づけられました。

CBDオイルの展示ブース

大麻といえば、向精神作用成分であるTHCに注目が集まることが多いです(日本では違法成分)。

しかし、THCに抵抗感のある層は一定おり、ヨーロッパでもCBDファンは健在です。

こちらは「NOT HIGH,JUST HYPE」というスローガンが印象的な、CBDのみを取り扱うブランドFLOWER FARM

「JUST HYPE」というメッセージからも、昨今の体感・濃度至上主義に対する疑問や批判的な視点を感じました。

日本市場でも共感を呼ぶ可能性があるアプローチです。

<参考文献>
▶︎ 『FLOWER FARM』公式サイト

CBDコスメの展示ブース

大麻に含まれる有用成分カンナビノイドは、次々と新たな成分を活用した商品が現れていますが、特にスキンケア関連の商品は、まだまだヘンプシードオイルやCBDの独壇場といった感じでした。

こちらは『ANNABIS』というも大麻を活用したコスメの老舗ブランド。

様々なハーブを調合させた99.9%ナチュラルな材料を使ったブランドとして知られています。

<参考文献>
▶︎ 『ANNABIS』公式サイト

(半)合成カンナビノイドの展示ブース

THC含有商品が一定の条件で流通しているヨーロッパでも、HHCやTHCHなどの(半)合成カンナビノイドの人気が高まっています。

これらのカンナビノイドは、大麻愛好家とは違うターゲットのニーズを捉えているという実態があり、THC解禁すれば、成分規制のいたちごっこがなくなるという理屈は、少なくともここでは成立していません。

ポーランドの『KANNASTAR』は、こうした(半)合成カンナビノイドの探究に力を注いでいるブランドです。

<参考文献>
▶︎ 『KANNASTAR』公式サイト

ヘンプ食品の展示ブース

SYR KONOPAC』とは、チェコ語でヘンプチーズという意味。

大麻のリーフが丸ごと入った、牛乳や羊乳の手づくりチーズはインパクト抜群で、新しい味覚の発見と共に、来場者を虜にしていました。

カンナフェス』では、食品一つとっても、遊び心あふれた幅広い商品が展示され、大麻文化の多様性と可能性を感じさせてくれるものです。

<参考文献>
▶︎ 『SYR KONOPAC』公式サイト

「Ligalice」の看板がひときわ目をひく、アイスクリーム屋さん『Dobré Konopí』。

常連に聞けば「カンナフェスに来たら絶対に試すべきスイーツ」と絶賛されるほどの人気を誇ります。

ヘンプの香ばしさが甘さを引き立て、絶妙にマッチ!

カンナフェス』の忘れがたい美食体験の一つです。

大麻の展示ブース

ご存知の通り、日本における大麻関連製品の扱いは非常に厳格で、特に大麻の花(バッズ)の取り扱いは法律で禁止されています。

対して『カンナフェス』では、大麻のバッズを展示するブースが多数見られました。

夕方以降になると、出展者たちもブース内でジョイントを巻いて吸い始める光景が見られ『カンナフェス』はさらにリラックスムードになります。

このようなオープンな雰囲気は、日本では想像もつかないものであり、大麻を中心とした文化や社会の自由度の違いを感じさせます。

日本の大麻に対するイメージや法的枠組とのギャップと共に、可能性を考えるきっかけとなります。

<参考文献>
▶︎ 『Seedstockers』公式サイト

会場内では、至るところでジョイントを巻くスペースがあります。

ジョイントとは、喫煙目的で大麻を紙に巻きつけたものです。

参加者たちは展示ブースで購入した大麻のバッズを持ち寄り、和気あいあいとジョイントづくりに没頭している様子が印象的でした。

これも『カンナフェス』のリラックスムードを象徴する風景です。

<参考文献>
▶︎ 『MASCOTTE』公式サイト

会場内で目立ったのは、巨大なジョイントの形をしたバルーンを持ち歩く参加者の姿でした。

カメラを向けると、彼らは陽気にポーズを取って応じてくれました。

このようなユニークなアイテムも『カンナフェス』の魅力であり、来場者同士の交流を活発にする効果もあったようです。

<参考文献>
▶︎ 『Vision Seeds』公式サイト

自宅で大麻栽培を考える愛好家が多いのも、ヨーロッパの特徴です。

したがって、シードバンクの展示ブースは、常に行列状態でした。

来場者は、自分の好みや栽培条件に合った種を選ぶために、特徴や栽培方法について出展者と熱心に話し合い、何千種類もの品種の中から慎重に選んでいました。

大麻(カナビス)のデリバリーバス、その名もカナバス「カナバス」が登場しました。

そのユニークな名前の通り、大麻の配達をコンセプトにした斬新なデザインで会場を彩り、一風変わったアトラクションとして、注目が注がれていました。

<参考文献>
▶︎ 『CALI FARMS』公式サイト

カンナフェス』では、事業者向け(BtoB)の商品も多数展示されています。

たとえばこちらは、液体肥料や土壌改良資材のメーカー『Xpert Nutrients』のブース。

彼らの提供する商品は、事業者がより高品質な商品を生産するための重要なオプションとなり、業界の発展に寄与しています。

農業という文脈で大麻ビジネスを捉えれば、日本が得意とする省エネ、持続可能な栽培システム、病害虫管理技術などの農業技術を応用する対象となります。

現在、日本の大麻・CBD市場が、輸入に依存している中、日本が国際市場で存在感を高めるための手がかりが『カンナフェス』にはあります。

大麻栽培の肥料ブランド『PLAGRON』では、オリジナルの害虫駆除ゲームコーナーを設けており、多くの来場者が夢中になっていました。

このようなインタラクティブな展示は、来場者に実際の栽培プロセスに関わる楽しさと教育的な知識を提供し、深い印象を残すアプローチです。

日本の大麻やCBDのイメージや認知度を考えると、こうしたエンターテイメント性の高いコンテンツは、非常に参考となります。

<参考文献>
▶︎ 『PLAGRON』公式サイト

大麻以外のサイケデリック(向精神)素材の出展も、いくつかありました。

こちらは、東南アジアでは、伝統的な薬草として知られるクラトム(日本では指定薬物)!

本品は1袋に葉の粉末が2.5g入っており、水やお湯に溶かして飲みます。

異文化の伝統的な薬草が、国際的なイベントで展示されることは、文化交流の場としても重要な意味を持っています。

<参考文献>
▶︎ 『GOODBUDS』公式サイト

カンナフェス』は、家族連れにも配慮した充実した内容で注目を集めています。
驚いたのは、子ども向けのキッズスペースや多様な食べ物を楽しめるフードコートの存在です。
今年は、これまで以上に多くの家族連れや老夫婦などが訪れており、大麻に対する幅広い関心とニーズを示しています。
ストーナーと呼ばれる嗜好用大麻のヘビーユーザーを対象としたコンセプトなら、このような施設は必要ないでしょう。
祭典のようなエンターテイメントの側面と提供と並行して、大麻に関する講演やパネルディスカッションが開催され、参加者に知識を深める機会を提供しています。
家族連れが気軽に安心して訪れることができる環境づくりが『カンナフェス』が世界最大級の大麻エキスポと呼ばれるゆえんなのでしょう。

卸販売から輸入支援、分析検査、視察ガイド、資格取得支援まで豊富なラインナップ

講演テーマ

また、会場内の特設ステージでは、医療用や産業用大麻の研究、法的問題や政策、持続可能な生産方法といった幅広いテーマに焦点を当てた講演やパネルディスカッションが連日開催。

アカデミックな研究者や業界の専門家による深い議論が繰り広げられました。

日付 演題
11月3日 植物栽培における真菌によるCO2生産の利用
VPDと植物形態の影響
チェコ共和国におけるTHCを超える規制
医療用大麻栽培の課題
EUと米国における法的地位
11月4日 伝統的な大麻食品
事業成功のために適切な機器を選ぶ方法は?
ドイツにおける大麻合法化、CBD、HHC、その先は?
大麻のデジタル化
キャンパスにおける大麻
HHC – 消費者保護
11月5日 冬眠の秘密 – 一部のエンドカンナビノイドの重要性
最近の外傷患者における大麻:期待と恐れ
治療におけるカンナビノイドの利用とそれに伴う障壁
治療における大麻エキスの使用経験と発展
チェコ産業の脱炭素化における大麻の可能性
法的変更に伴うカンナビノイド利用の未来

まとめ

カンナフェス2023への参加は、CBDライブラリーにとって画期的な体験でした。
特に、国際的な視野を持つ企業や専門家との交流は、今後の市場動向や消費者ニーズの理解を深める機会となり、メディア運営・商品開発に新たなインスピレーションをもたらしました。
カンナフェス2023は、CBDライブラリーがより広い世界へと視野を広げ、取り組みを進化させるためのきっかけとなりました。

卸販売から輸入支援、分析検査、視察ガイド、資格取得支援まで豊富なラインナップ