世界最大級の大麻展示会『スパンナビス』バルセロナ最後の煙祭〜B2B編~

はじめに

『CBDライブラリー』は、遂にチェコの『カンナフェス(Cannafest)』 、ドイツの『メリージェーン(Maryjane)』などを経て、ヨーロッパ三大大麻展示会の最後の砦、スペインの『スパンナビス(Spannabis)』から、メディア取材のお誘いをいただきました。

スパンナビス』と言えば、ヨーロッパでは最も人気がある大麻展示会です。

フェスティバルでは、楽しく人、音、酒、大麻が飛び交います。

さらにすごいことは、このカオスの中、展示会サイドでは、製品説明、卸先開拓、営業、取引先との顔合わせなどが行われていることです。

展示会内の局所局所で、ビジネスマンたちが片手にモバイル、片手に大麻を持ち、多忙にミーティングのアポ取りをしています。

ビジネスミーティングやネットワークづくり。

これこそが大麻業界のビジネスパーソンたちにとっては、展示会が欠かせない、集まりの場所となっているのです。

『スパンナビス』来場者

スパンナビス』の前半記事では、展示会の概要や、フェスティバルのリポートもしていますので、是非ご覧ください。

展示会

『スパンナビス』来場者
▲ スペインの大手ベンダー『Hortitec』
<参考文献>
▶︎ 『hortitec』公式サイト

スパンナビス』をはじめ、国際展示会では、たった3日間という短い期間に、世界各国から人、もの、ビジネスチャンスが一気に集まるという、興味深いイベントです。

大麻関連の原料や道具を取り扱う会社、デジタル上での大麻関連ビジネスを展開する企業、大麻協会や教育系プログラムなどを行う団体など、本当に多種多様なスタンスとスキームで、何百の団体が大麻業界の中で切磋琢磨しています。

『スパンナビス』来場者
▲スペインで大麻の大学を運営する『cannabis hub』と、総合カンナビスサービス『S&F』
<参考文献>
▶︎ 『cannabeshub』公式サイト

ヨーロッパでは、大小合わせて毎年100件以上の大麻展示会が行われています。

また、ヘンプ系やカンナビス系、メディカル系やヤーマン系など、多種多様なカラーもあります。

新しい産業とも言える現代の大麻業界では、この業界に長くいる会社や個人でも、キャリアや設立が30〜40年程です。

ですので、一時代を築いたカリスマ的な人やブランドから、新興企業、小さいブランドまで、様々な事業者が同時に集まることも魅力の一つです。

『スパンナビス』来場者
▲人気ブランド『Cookies』と、栄養剤などでお馴染み『PLAGRON』

世界50ヵ国以上から集まるブランド達は、各国ではトップにいるカリスマブランドたちばかりであり、言語も文化も違う彼らが集まり開催される展示会とはまさに「大麻オリンピック」とでも言えるかもしれません。

『スパンナビス』来場者
▲大手栄養剤メーカー『CANNA』
<参考文献>
▶︎ 『CANNA』公式サイト

一般入場のビジターチケットで入場している、事業者、たとえばショップ経営者やコンサルタントなどは、自分たちの目的がある出展者ブースに向かい、仕入れや輸入、製品確認や値段交渉など仕事の話をしています。

『スパンナビス』来場者

出展者であるエキシビター達は、自分たちのブースを中心に、ブースの中にゲストを招いて接待したり、電話片手に突然出て行ったりと、出たり入ったりしながらビジネス、ネットワークづくりに忙しく動いています。

『スパンナビス』来場者

世界中で行われるヘンプ&カンナビス関連の見本市や会議は、出展側には大きなコストと共に、毎年のマーケティングには欠かせない行事のようにもなっているのかもしれません。

『スパンナビス』来場者
▲カンナビス・ソーシャル・クラブ『High ground berlin e.V.』代表、ユルゲンセン氏

同業者と生存確認

展示会が同窓会のように、半年ぶり、一年ぶりに同業者と再会するということはよくあることで、国際的な展示会では、こういう現場がやはり楽しく、戦友との生存確認のように嬉しくなるものです。

『スパンナビス』来場者
▲スペインのカンナビスバイオテクノロジー会社『VALENVERAS』
<参考文献>
▶︎ 『VALENVERAS』公式サイト

感動の再会を、ハグとバッズで交わすことも恒例です。

そして、自国の現在の大麻の法律や規制状況などについて情報交換することも、あるあるネタでしょう。

英語は当たり前、さらに第3ヵ国語も交えながら、騒音と煙の中、高速なスピードでコミュニケーションが行われています。

『スパンナビス』来場者
▲知り合いに会う度に、乾燥大麻が回ってくる。

これが一日中、酒と煙の中で行われ、夜中もパーティーという、、本当にスタミナ、大麻愛、ビジネス好きでないとできない仕事です。

『スパンナビス』来場者
▲インドの『Modern Stone Exports』のグラインダーと、オランダのシードバンク『DUTCH PASSION』

ネットワークづくりとコネクション

いかに重要な人物達とネットワークを持っているか、これはとても重要です。

事業者は、事前に展示会開催前から、興味がある相手先にコンタクトをし、会期中に挨拶をします。ネットワークづくりは既に始まっています。

目を合わせて握手を交わし、一緒に少しでも実りある時間を共にし、SNSやコンタクトを交換し、自撮り写真を撮る。

そしてタイミングをうかがい、営業オファーをガンガンぶつけてきます。

このような古典的な肉弾戦が、現代のデジタル時代であっても、とても重要視されています。

『スパンナビス』来場者
▲チェコを中心とした老舗ブランド、『EUPHORIA』のCEO、バリソフ氏
<参考文献>
▶︎ 『EUPHORIA』公式サイト

このようなネットワークづくりを、事業者はいかにポジティブに楽しく、新しいビジネスチャンスという出会いに繋げていけるか、ここがビジネスの醍醐味かもしれません。

もし、大麻業界の事業者でも、知り合いや交渉相手がいないなら、こういった展示会の良し悪しを味わい深く体験できず、展示会は催し物としてしか楽しめません。

ともあれ、もし交渉相手やビジネス目的がなくとも、様々な外国の人たちと話したり、新しい知り合いができることは、刺激にも勉強にも思い出にもなるものです。

『スパンナビス』来場者
▲中国ブランド『WIKANN』と、日本のトリミングバサミメーカー『SABOTEN』

ビジネスチャンスとディール

時にはタクシーを走らせ、相手がいるホテルのロビーで30分のミーティングなんて言うこともあります。

ビジネスチャンスがあればどこにでも今飛んでいく、この行動力とスピードが、流れの速い大麻業界では重要なことだと痛感させられます。

『スパンナビス』来場者
▲カナダから、石油オンライントレードサービスのスキームを、大麻オンライントレードにシフトした『GLOBAL CANNABIS EXCHANGE』の社長と副社長

『スパンナビス』来場者

ヘンプ&カンナビス業界は、「社会の需要と政府の規制」によって、各国で毎年、ゲームチェンジが起きています。

事業者は、動向や様子を見ながら、攻めるタイミングの見極めが重要です。

だからこそ、そのビジネスチャンスをつかむため、常に幅広いネットワークにアクセスしておく必要があります。

近年、需要と規制の変化と共に、「臨機応変に異業種へ、ピボットしていく事業者」を多く見ます。

つまり、大麻業界の仕事の傍ら、違う業種でも仕事をする会社などが増えているということです。

また、大麻業界内でありながら異業種ブランドの立ち上げや、他社ブランドとコラボレーションへの挑戦などの話も聞きます。

どこがどこをM&Aした、どことどこが共同ベンチャー事業し始めたなど、一人の事業者が複数の会社やブランド、会社に属しているのは当たり前になってきており、私はこのピボット力とバイタリティーにもいつも驚かされます。

この、超複雑に絡んだプレーヤーたちの関係を知ることも、展示会に参加する重要なポイントでしょう。

『スパンナビス』来場者

B2Bにとって、今年の注目トピックはもちろん「医療大麻」。

THCの乾燥大麻や高濃度のエクストラクトなど、ビジネスマンたちは目を赤くして、「メディカルという名の冠をかぶったTHC」と「ビジネスの合致」を狙っています。

今や、「CBD」という成分はマーケットからどこかに行ってしまったかのようです。

『スパンナビス』来場者
▲左:タイの総合卸と栽培『AZ Growshop』の社長ファム氏、中央:『King’s Club Thailand』オーナー、右:『HYDROFARM』のケレスニー氏
<参考文献>
▶︎ 『AZ Growshop』公式サイト
▶︎ 『King’s Club Thailand』公式サイト
▶︎ 『HYDROFARM』公式サイト

写真上にあるVIPルームでは、タイで62トンの認証付き医療用乾燥大麻の生産と、卸売のディールをしている現場に出会いました。

医療用であれ嗜好用であれ大麻は大麻。

しかし、医療用大麻には生産者や供給者、もちろんユーザー側にも様々なライセンスや認証などの「超管理」が求められる良し悪しがあります。

逆に、展示会と同じ場所で起きているフェスティバルの現場では、誰もが自由で好き勝手に大麻を摂取しているという逆ベクトルの現象が起きています。

”大麻の民主化”には、一般人、大麻事業者、政府や企業各々の思惑が、複合的に入り混じる関係にあります。

『スパンナビス』来場者

World Cannabis Conference

さて、最後はスパンナビス内で行われている学術会議『World Cannabis Conference』も見ていきましょう。

会議会場はスパンナビス前日に行われた 『ICBC(国際大麻ビジネス会議)』と同じ会場で行われました。

『スパンナビス』来場者

3日間の間、1時間ごとに新しい登壇者があるテーマについて発表をしていくかたちで、真剣に大麻と社会のあり方について語ってくれる重要なセクションです。

皆さんもぜひ現場もしくはYOUTUBEなどで拝見してみてください。

『スパンナビス』来場者

見本市が終わると、同業者たちは「See you next Cannabis expo!」と、すぐさまタクシーを走らせ、次の目的地にフライトします。

世界を飛び回るプロの大麻専門家たちは、まだまだ道半ばなのでしょう。

大麻であれ見本市であれ、見方や立ち位置を変えて視れば、まるで違ったものになります。

今回の3日間、私はとても刺激的で勉強になることがありました。

ぜひ、みなさんも異なる大麻文化を体感してみてください。

それでは、世界最大級の大麻展示会『スパンナビス』バルセロナ最後の煙祭〜B2B編~を終わります

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