当記事は、
「大麻が合法化したドイツのリアルが知りたい!」
「『メリージェーン ベルリン2024(MARYJANE2024)』って、どんなエキスポ(展示会)?」
という方のためにお届けします。
『メリージェーン ベルリン2024(MARYJANE BERLIN2024)』の概要
みなさんこんにちは!
私たちCBDライブラリーは、2024年6月14日〜16日、ドイツで開催された大麻(麻)エキスポ『メリージェーン ベルリン2024(MARYJANE BERLIN2024)』に参加しました。
▶︎ 『MARYJANE』公式サイト
『メリージェーン』は、スペインの『スパンナビス』、チェコの『カンナフェス』に並ぶ、ヨーロッパ三大大麻(麻)エキスポの一つで、世界中の業界関係者や専門家が集まる重要な場です。
開催地ドイツの首都ベルリンは、ヨーロッパにおける文化的・政治的な中心地として知られている上、2024年4月の大麻合法化直後というタイムリー性から、非常に注目を集めました。
今年で9回目の開催となった今回の『メリージェーン』は、まさに大麻ビジネスにおける新たな可能性を象徴したイベント。
会場『メッセベルリン』の20,000㎡にも及ぶ広大な敷地に、500以上の出展者と40,000人もの来場者が集結し、異様なレベルの熱気と煙(!)に包まれました。
イベント名称 | メリージェーン ベルリン2024 |
公式URL | ▶︎ MARYJANE |
開催期間 | 2024年6月14日〜16日(11:00〜20:00:最終日は18:00まで) |
会場 | Messe Berlin(ドイツ:ベルリン) |
内容 | ・世界中から大麻関連事業者が集い、CBDオイルや食品・化粧品・衣服のほか、栽培器具や肥料・種・喫煙用具・ヴェポライザー(蒸気吸入器)など、幅広い商品が出展されます ・知識啓蒙メディアや、大麻を自然資源として利用する企業、医療大麻合法化団体による、様々なテーマのカンファレンスも開催されます |
主催 | Rocket Canna GmbHx |
日本のように規制が厳しい国にいる者として、これらの情報は非常に貴重です。
今回の体験記では『メリージェーン』のハイライトや注目の展示をシェアします。
\卸販売から輸入支援、分析検査、視察ガイド、資格取得支援まで豊富なラインナップ/
会場は、日本の幕張メッセやビッグサイトに匹敵する巨大展示場
大麻をテーマとしたエキスポだけに、さすがに大々的なプロモーションはないだろうと思っていましたが、会期前からベルリンのあちこちに『メリージェーン』の告知ポスターが貼られていました。
奇しくも開催日は、4年に一度に開催される、サッカーのUEFA欧州選手権『EURO2024』の開幕日。
ドイツが開催国とあって、町全体がお祭りムードでした。
駅から会場へ向かう途中、大麻を一服するグループを横目にしながら会場『メッセベルリン』に到着。
巨大で荘厳な建物の入口には、元ボクシングのヘビー級世界王者で、引退後は大麻実業家としても名を馳せるマイク・タイソンの巨大な広告が出迎えます。
会場に入ると、まず目に飛び込んでくるのはモクモクと立ち込める煙。
本来NGな会場内など、至るところでジョイントを楽しむ人々があふれていました。
日本では考えられない光景が広がっており、日本だったら機動隊が出動してもおかしくないレベルです。
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エキスポというよりフェス?
『メリージェーン』は、事業者だけでなく一般消費者も来場するエキスポです。
そのせいか、屋外の会場には巨大なステージが設けられ、ライブパフォーマンスが繰り広げられます。
音楽が鳴り響き、まるで野外フェスティバル。
そして、飲食屋台・キッチンカーがまた大盛況で、『メリージェーン』の隠れた主役という印象でした。
マンチー効果もあり、ピザ・ハンバーガー・ブリトー・タコス・カレーライスなど、ボリューミーな食べ物をほおばる人々多数。
この日は、どんなダイエッターも挫折必至です。
ちなみに「マンチー」とは、大麻を摂取すると起こる食欲増進現象のことです。
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出展ブースは、世界の大麻業界の縮図
もちろん真の主役は、世界中の選りすぐりの最新商品を集めた展示ブースの数々。
日本のCBD関連の展示会と大きく異なるのは、CBD原料やその最終製品だけでない、そのバリエーションの多さです。
500以上の出展者は、10ものカテゴリ(付属品 / 道具、種、栽培、組織、自然、メディア、CBD、ヴェポライザー / 蒸気吸入器、カンナビスソーシャルクラブ、医療、その他)に分けられ、世界の大麻業界の縮図が体感できます。
特に安定した品質を確保するための肥料、水や光の制御機械、抽出機械などの最新テクノロジーを駆使した製造や栽培関連の出展が目立ち、個人グロワー向けの道具までそろっていました。
その他にも、ブロックチェーン技術を用いたトレーサビリティ管理システム、環境に配慮したエコフレンドリーな製品、開発事業者同士のビジネス機会を創出するマッチングアプリや業界特化型の求人サービスなど、ビジネス面でのサポートも充実。
サンプルを空中に投げばら撒いて配る様子も見られ、その光景は一種のカオスでしたが、ある意味、自由と活気にあふれています。
こうした多様性が大麻やCBDの現実であり、剥き出しのニーズを満たすことができる場となっています。
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ドイツ合法化の目玉施策「カンナビス・ソーシャル・クラブ」
ドイツならではの出展としては、やはり「カンナビス・ソーシャル・クラブ(CSC)」でしょう。
「カンナビス・ソーシャル・クラブ」とは、会員制で大麻を栽培し、共有するコミュニティ。
ドイツ合法化の目玉施策でもあり、闇市場を減らすことを目的とし、管理された大麻の利用機会を提供します。
大麻を合法的かつ安全に楽しむための新しいモデルとして、ヨーロッパ中から注目されており、今後の展開が期待されます。
出展ブースでは、「カンナビス・ソーシャル・クラブ」の運営方法や参加条件、メリットについて詳しく説明するスタッフが常駐しており、多くの来場者が関心を寄せていました。
・室内栽培にこだわり、年中収穫を目指す
・イベントやセミナーを通じて人材育成に力を入れる
・お互いの大麻を交換したり品評会を楽しむコミュニティ色が強い
・グッズや物販に力を入れる
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エンタメとアカデミアの融合!?
前段で「エキスポというよりフェス?」という心の声を表現しましたが、フェス的な盛り上がりを見せる横で、医療や科学、学会の重鎮たちによる講演が行われるシュールな一面がありました。
会場内の特設ステージでは、アカデミックな研究者や業界の専門家による最新の情報共有や講演が連日開催。
深い議論が繰り広げられました。
日付 | 演題 |
6月14日 | ドイツにおける産業用ヘンプの未来 |
今、ヘンプを栽培する価値があるのか?産業用ヘンプ法の必要性 | |
ヘンプ建築に未来がある理由 – ヘンプハウスはどこにあるのか? | |
医療大麻: MedCanGによる変化 – 患者ケアに何が変わるのか | |
認可要件 – アクセスを改善する他の方法はあるか? | |
ドイツにおける医療用大麻栽培 – 進展と改善の必要性 | |
アメリカの大麻再スケジューリングとグローバルな取り組み | |
「トラック&トレース」 – インテリジェントなソフトウェアと追跡 – 管理、品質および識別性 | |
6月15日 | 商業的な大麻取引と広告法規制における販売促進のガイドライン |
機能する合法大麻経済の基盤 | |
新しい産業の開花: カンナビス栽培クラブの経済 | |
広告と販売 – 合法的なヘンプおよびカンナビス製品の商取引に関する最新テーマ | |
医療用大麻の欧州未来市場 | |
グローバルな産業ネットワーキング – 戦略の長期的な変化を加速するには? | |
大麻と文化 | |
種から収穫まで100日間 | |
医療用大麻は草じゃない! – 新しい大麻法における奇妙な花 | |
品種特有の医薬の未来: 気分と感情制御のための品種 | |
6月16日 | 医療用大麻の主要な適応症と効果 |
医療用大麻の栽培と生産: 実績のある方法、技術、法的側面の洞察 | |
薬局での医療用大麻に関するパネルディスカッション – 質問に答えます | |
日常生活、仕事、運転免許、医者の訪問、社会環境における大麻の利用 | |
カンナビスの進化 – メイド・イン・ジャーマニー – ドイツがオランダやアメリカに続き、大麻の歴史における次の頂点になる理由 |
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初日に20人搬送。大盛況の裏で浮き彫りになった教訓
上記は、エキスポ2日目の早朝、主催者から緊急配信された警告と案内メールです。
内容は、初日に来場者が20人救急搬送されたこと。
その理由として、合成カンナビノイドやサイケデリックマッシュルームの影響があげられたこと。
そして、合成カンナビノイドやサイケデリックマッシュルーム出展者を追放し、夜のパーティを中止するという決定をくだしました。
また、万引きが多発したブースもあった上、最終日の会場はゴミが散乱するありさま。
表向きのイメージとは裏腹に、決してチルなイベントとはいかなかったようです。
日本であれば、このような事態はTVで大きく取り上げられ、イベント自体が中止になるレベルです。
しかしそこはお国柄なのか、興行的な事情なのか、エキスポ自体は予定通り続行されました。
安全性と治安は、『メリージェーン』が将来に残した課題であり、大麻由来の商品を扱う私たちにとっても、大きな教訓となりました。
日本では「THCが完全に合法化されれば、合成カンナビノイドの必要性はなくなる」という主張をしばしば聞きます。
だとすると、THC含有商品が一定の条件で流通しているヨーロッパで、HHCやTHCHなどの(半)合成カンナビノイドの人気が高まっているのは、どう説明すれば良いでしょうか?
現地で目にしたのは、大麻愛好家とは異なるターゲットのニーズが存在するという実態です。
このことから、THCの解禁によって成分規制のいたちごっこがなくなるという理屈は、少なくともヨーロッパでは成立していません。
アメリカで急速に広がっているサイケデリックマッシュルームの出展ブースも見られ、世界各地での需要の細分化とグローバル化が一目で理解できました。
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日本の現状と問題提起
海外の動向を見ると、大麻合法化が進む中で新たなビジネスチャンスが生まれていることがわかります。
日本でもこの熱量を引き出せるはずですが、現実は、大麻に対する規制が依然、厳しい状態。
もちろん日本とは歴史も文化も違いますが、こうした現実を伝えず、旧来の「ダメ。ゼッタイ」を繰り返しすだけでは進歩がありません。
日本のCBD業界も、もっと開放的で自由な雰囲気を取り入れて、窮屈さを跳ね返していく必要があります。
『メリージェーン』から学んだことを活かして、日本のCBD業界を新しいステージに導く発信につとめて参ります。
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