「睡眠記録の取り方が知りたい」
「どの記録ツールが良いの?」
という方のためにお届けします。
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これだけある!4大睡眠記録ツール
最近、睡眠状態を記録・計測したり、睡眠の質を改善するためのツールが増えています。
それぞれ、使い方も利用する指標・データも、価格帯も異なるため、どれを使えばいいのか迷ってしまうという方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、睡眠記録ツールを「睡眠日誌」「睡眠アプリ」「スマートウォッチ」「ウェアラブル心拍センサ」の4つに分類し、それぞれの特徴やメリット/デメリットについて解説します。
まずは下記に比較表をまとめましたのでご覧ください。
4大睡眠記録ツール比較表
記録ツールの種類 | 睡眠日誌 | 睡眠アプリ | スマートウォッチ | ウェアラブル心拍センサ |
価格帯 | 無料 | 無料 (※アプリ内課金あり) | 1~3万円程度 | 3~5万円程度 |
入手しやすさ | ◎ | ◎ | 〇 | △ |
データの正確さ | ※ (主観評価) | △ | ○ | ◎ |
ユーザー負担度 | 多 | 少 | 少 | 少 |
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そもそも睡眠はどうやって測るもの?
睡眠の計測や質の評価
記録の前に、まず睡眠の計測や質の評価は、科学的にどのように実施されるものなのでしょうか。
睡眠の計測・質の評価の王道は「脳波」です。
私たちの脳は、目が覚めている状態(覚醒状態)と眠っている状態(睡眠状態)では、まったく異なる活動状態になります。
また、睡眠には「浅睡眠」と「深睡眠」、そして「レム睡眠」といように段階を経て変化していきます。
「覚醒」「浅睡眠」「深睡眠」「レム睡眠」では、発生する脳波の種類や出現割合が異なります。
したがって「脳波」さえ計測できれば、睡眠は、健康状態に問題があってもなくても、確実かつ正確に計測・評価をすることができるのです。
質の良い睡眠の基準
「質の良い睡眠の基準」も、脳波を計測した結果から導き出されています。
前述の「浅睡眠」「深睡眠」「レム睡眠」「覚醒(寝付くまでの時間や自覚できないレベルの睡眠中の覚醒)」が5:2:2:1という割合が、最適な睡眠状態であるとされています。
実は睡眠に関する様々なツールの原点は脳波計であり、脳波計で計測された睡眠に関するデータやそれに基づく科学的な研究成果の蓄積が睡眠のすべてといっても過言ではないのです。
現時点で、最も自分の睡眠を正確に把握するための方法は脳波の計測です。
しかし、脳波計は数百万から数千万円と高額であり、専門的な知識がなければ、使い方もデータの見方も分かりません。
一般の方が利用するのは難しいでしょう。
そこで、脳波計測の代わりに、ほかの指標やデータを活用して、なんとか脳波計の正確さに近づけようというのが、これから紹介するツールなのです。
「深睡眠」が長ければ良いってもんじゃないんだね。
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睡眠日誌
いわゆる睡眠に特化した日記です。
基本的な形式は、1時間を1マスで表記されているシートに日中の活動内容を記録し「何時に就寝し」「何時に起きたのか」を記録していきます。
また「起床直後にどれくらいぐっすり眠れたか」「起き抜けの気分はどうか」などについても記録したり「眠っている間に夢を見たかどうか」なども合わせて記録するものもあります。
メリット
PC(パソコン)やスマホなどが苦手な方もいらっしゃるかと思います。
最もアナログな手法である睡眠日誌であれば、基本的には「紙と鉛筆」があれば成立するのが、最大の特徴です。
フォーマットも入手しやすく、今日の夜からでも取り組めるツールです。
デメリット
「睡眠日誌」の課題は、あくまで主観的評価でしかないということです。
後述する「睡眠アプリ」「スマートウォッチ」「ウェアラブル心拍センサ」は、基本的にバイタルデータとよばれる人間から発生する様々な生理学的なデータを活用していますが「睡眠日誌」では、バイタルデータを活用することはできません。
また、日記をつけるスタイルなので、毎日、几帳面に続けることができなければ、自分の睡眠を把握することができません。
さらに、出勤・登校などの朝のあわただしい時間帯に記録をつけるのも一苦労だと思います。
「睡眠日誌」は継続して記録し続けていくことで「この1週間はどうだったのか」「ここ1ヶ月はどうだったのか」「自分の平均的な睡眠はどんなものなのか」について、時間をかけて明らかにしていくものです。
そのため、いわゆる三日坊主で終わってしまうと、ほとんど意味がありません。
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睡眠アプリ
スマホやタブレットの普及で、現在、非常に増えている記録ツールです。
アプリ検索で「睡眠アプリ」と入れるだけで、実に多くのアプリが出てきます。
内容も様々で、単純に目覚まし時計の機能だけのものから、スマホやタブレットに搭載されている機能を駆使して、睡眠の質にまで踏み込んんだ計測・評価ができるものまで多岐にわたっています。
また睡眠に良いとされる音楽を流してくれたり、ヨガや呼吸法、ストレッチなどに関するアプリと組み合わせたものなどもあります。
このように、様々な睡眠アプリがありますが、今回はあくまで睡眠の質について計測・評価することができるアプリについて解説したいと思います。
メリット
基本的には無料のものが多く、データの記録もアプリが自動的に行ってくれます。
睡眠日誌のように、小まめに日誌を書いたりする必要がないなど、非常に利便性の高いツールだといえます。
メカニズムとしては、スマホやタブレットには必ず備わっている機能である、加速度計とマイクを使います。
- 加速度計:スマホを持っている方が「どちらを向いているのか」や「どれくらい動いているのか」を明らかにするものです。マップ上での自分の向きや、万歩計機能などは、この加速度計が活用されています。
- マイク:一般的に電話などの音声コミュニケーションの際の集音装置として活用されています。
「睡眠アプリ」では、アプリを起動させた状態で、枕元など自分の身体の近い場所にスマホやタブレットを置きます。
その際、就寝中に身体が少し動いたり、寝返りを打ったりすると、加速度計はその際の振動をキャッチします。
マイクも身体が動いた際に発生する音やいびきや呼吸音もキャッチすることができます。
就寝時の身体の動きや、寝返り、呼吸、いびきは間接的に睡眠の質を計測する指標になります。
つまり「睡眠アプリ」では、こうしたデータから睡眠を判断・評価しているのです。
デメリット
データの正確さに関してはあまり高いとは言えません。
加速度計やマイクから得られたデータは、単純に「振動」と「音」というだけであり「この振動は寝返りではない」とか「この音はいびきではない」というところまでの判定はできません。
また「誰から発生した振動なのか?」や「誰から発生した音なのか?」を区別することもできません。
たとえば、自分以外の家族の誰かが、就寝中の自分の近くを歩いたとしましょう。
その際に発生した振動は、枕元に置いたスマホの加速度計がキャッチしますが、アプリの方ではそれを「寝ている本人が動いたことによって発生した振動」なのか「無関係な第3者の動きによって発生した振動」なのかを区別できません。
マイクも同様です。
ご夫婦がダブルベットで寝ていて、奥様が寝返りを打った際に発生した音と、アプリを使っている旦那さん自身が寝返りを打って発生した音の区別はつきません。
こういった振動や音などのデータは「誰から発生したものなのか?」という個別ID的な要素が重要になるのですが、睡眠アプリはそこまで個別性や識別性が高くありません。
純粋に「自分自身の睡眠に関するデータ」だけを抽出・解析するのは難しいという問題があります。
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スマートウォッチ
最近、人気のウォッチ型のウェアラブル・デバイスは、安価なタイプも増えてきました。
以前はジョギングやウォーキング、ジムでのトレーニングなどのような運動・スポーツ場面に活用することが主流でしたが、最近では日常的生活の様々な場面のデータを収集・分析することへと活用場面が広がっています。
特に睡眠時のデータ計測・評価については、様々なメーカーの「スマートウォッチ」で導入されています。
「スマートウォッチ」は手首に装着するので、脈拍や血圧などのバイタルデータを計測することができます。
睡眠段階の変化に応じて、脈拍や血圧も変化するので、これらのデータを解析することで、睡眠の質を計測できるわけです。
また「スマートウォッチ」にもスマホと同じく、加速度計やマイクの機能があります。
これらの機能を活用することで、就寝時の身体の動き(寝返り)や呼吸・いびきなどについても計測可能です。
メリット
睡眠アプリとの違いは身体に装着する点。
つまり「動いたのが誰の身体なのか?」や「発生している振動や音の発信源がどこなのか?」が、より明確化できるという点です。
単に枕元に置いておくだけでは判別できなかった要素も、身体に装着されている状態でデータを計測すれば、個別IDとして「誰のものなのか?」がはっきりするわけです。
「スマートウォッチ」は、脈拍・血圧・加速度・音などを組み合わせ、それをアプリでデータ収集・解析することで、脳波計測に準じた睡眠段階まで判定できるものもあります。
最近の「スマートウォッチ」は、比較的手に入れやすく、何よりバイタルデータを活用できます。
生理学的な指標から睡眠の質を計測・評価できるのが最大のメリットです。
デメリット
ただし、スマートウォッチにも課題があります。
手首に装着することで得られる脈拍や血圧は、脳や自律神経の状態が反映されますが、どうしても、脳や心臓から直接得られるデータよりも精度は劣ります。
つまり、あくまで間接的に脳や神経の状態を計測する手段に過ぎないのです。
また身体の動きについても、本来は身体全体が動いたことで寝返りと判定するわけですが、スマートウォッチは、手首だけが大きく動いた場合も「身体全体が動いた」と判定してしまう可能性があります。
さらに、アプリと組み合わせて睡眠段階や睡眠の質を判定する機能の多くが「当てはめ型」のアプローチをとっていることも課題の一つです。
「当てはめ型」とは、あらかじめ数式やアルゴリズムを定め、その枠内のデータについては「この状態なら浅睡眠です」と推定していく手法です。
これは、本来は脳波を計測しなければ正確に把握できない睡眠を、脈拍や体動などの他の指標を複数組み合わせて評価するため、ある程度の「枠」の中で判断せざるを得ないという事情があります。
アプリの方で決まり(アルゴリズム)を定めているので、その「枠」からはみ出してしまっているものは「計測できませんでした」という判定になってしまいます。
また、実際には起きていないにもかかわらず「昨夜は20回ほど中途覚醒したようです」というような、誤った判定が出てしまうこともあります。
アプリの決まりによっては「夜12時以降に取得されたデータは、すべて睡眠時のデータである」という推定を前提にした商品もあります。
もしそのような決まりの場合はどう判定されるでしょう?
夜12時以降に実際は起きてテレビを見ていたとしても、アプリの方では「寝ていることとする」として解析し「昨夜は睡眠が浅かったです」という判定が出てしまいます。
実際に睡眠がどうだったのかではなく、スマートウォッチアプリの決まりを優先し、決まりにユーザーの睡眠を当てはめていくという手法なわけです。
くわえて「睡眠時間が3時間未満の場合は、判定が出せません」というスマートウォッチ(付随するアプリ)が多くあります。
これは、睡眠周期が約90分サイクルになっていることと関係しています。
90分×2で180分 = 3時間となるわけですが、最初の90分サイクルをバイタルデータなどから把握できても、それがいわゆる「睡眠によって引き起こされている変化なのか?」ということを判断する材料が足りないということを意味しています。
最初の90分のデータを考慮した上で、次の90分サイクルが同じような状態ではじめて「もう1回同じサイクルがあったということは、最初の90分間は睡眠だったんだ」と振り返って確認できるということです。
仕事などが忙しかったりすれば、睡眠時間が短いことも多くなり、3時間未満の日もあるかと思います。
むしろ、そういった非常に短い睡眠の時ほど、睡眠の質について知りたいという方も多いはず。
しかしスマートウォッチの場合、基本的には難しいのです。
何らかの判定は出してくれますが、実態とは大きくギャップが生まれてしまいます。
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ウェアラブル心拍センサ
最後の4つ目にご紹介するのは「ウェアラブル心拍センサ」です。
胸(心臓部分)やみぞおちに電極パッド・ベルトなどを使って装着する記録センサです。
「ウェアラブル心拍センサ」は、医療機関などで活用されているものですが、小型化・軽量化・無線化が進み、病院以外の日常生活での利用が可能になっています。
メリット
最大のメリットは、自律神経の状態を可視化・数値化できるという点。
心拍変動解析とよばれる周波数解析によって、実現されます。
そもそも心臓の動きは交感神経と副交感神経によってバランスが保たれています。
したがって、心拍の変動(周波数)を分析することで、交感神経と副交感神経の状態を明らかにすることができるのです。
交感神経は、興奮やストレス、副交感神経は休息やリラックスの際に活性化します。
「ウェアラブル心拍センサ」は、このメカニズムを活用して、ストレスやリラックスを数値化しています。
実は、自律神経は睡眠段階に応じて変化し、その変化は脳波の変化と連動することが科学的な研究結果として判明しています。
自律神経データは、脳波の次に正確に睡眠段階や睡眠の質を把握できる指標なのです。
なお「ウェアラブル心拍センサ」にも加速度計が内蔵されているものが多く、身体の動きもキャッチ。
「スマートウォッチ」と異なり、胸やみぞおちに装着されるので、しっかりと身体全体の動きを計測できます。
センサーに対してどれくらいの重力がかかっているのかを数値化することで、姿勢の状態もデータ化が可能です。
なんと「仰向けなのか」「うつぶせなのか」「横向きなのか」「立っているのか」「座っているのか」まで読み取れます。
この機能により、実際に姿勢が寝る状態になったのが何時何分何秒からなのかも計測できますし、起き上がったのが何時何分何秒なのかも計測できます。
姿勢が「寝」の状態になってから副交感神経が活性化し始めるまでの時間から「寝付きが良いか、悪いか?」が明らかになります。
「ウェアラブル心拍センサ」は近年、市場も拡大。
睡眠以外の心身の健康状態の計測から、介護福祉分野に至るまで、様々な場面で活用されています。
デメリット
正確性では、他のツールに勝る点が多いですが、やはり万能ではありません。
- 価格が他のツールと比較して割高
- 個人への販売がされていないものも多い
- 睡眠段階や睡眠の質を把握するために専門家によるデータ解析が必要な場合もある
- 胸やみぞおちにセンサを装着することに慣れない内は戸惑ってしまう
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まとめ
本コラムでは、睡眠記録ツールを「睡眠日誌」「睡眠アプリ」「スマートウォッチ」「ウェアラブル心拍センサ」の4つに分類し、それぞれの特徴やメリット/デメリットについて解説いたしました。
あらためて下記に比較表をおさらいしますのでご覧ください。
記録ツールの種類 | 睡眠日誌 | 睡眠アプリ | ウォッチ | 心拍センサー |
価格帯 | 無料 | 無料 (※アプリ内課金あり) | 1~3万円程度 | 3~5万円程度 |
入手しやすさ | ◎ | ◎ | 〇 | △ |
データの正確さ | ※ (主観評価) | △ | ○ | ◎ |
ユーザー負担度 | 多 | 少 | 少 | 少 |
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