未踏のCBD業界を切り拓くリーダーの人物像に迫る、シリーズインタビュー「CBDビジネスでハイになれ」。
またしても大胆不敵なリーダーに登場いただきました。
お話をうかがったのは、CBDブランド『Leaflow』の代表、長森ルイ氏。
かつて日本最大規模の子ども服のオンライン買取サービス『キャリーオン』を起業し、売却経験を持つ、連続起業家でもあります。
今回、ブランド立ち上げの経緯やその熱い想いをうかがいました。
このインタビューは「CBDビジネスでハイになれ」というコンセプトに基づいた、CBD事業に挑む、すべての事業者への応援メッセージが詰まっています。
▶︎ 『Leaflow』公式サイト
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明治アクセラレーター発の革新的CBDドリンク
2024年に入っても、世界中で大麻(麻)合法化の動きが止まりません。
欧米を中心に、大麻を原料とした健康成分CBD(カンナビジオール)を活用した市場も広がっていますが、日本はどうでしょう?
伊勢丹やドン・キホーテでも取扱が始まり、徐々に普及しつつあるCBDですが、大麻が持つネガティブなイメージや法規制の不安定さもあり、大手企業の参入は、依然として限定的です。
広告や資金調達環境の制約もあり、市場はまだ夜明け前といった状況。
そんな中『Leaflow』は、誰もが知る大手食品メーカー『明治』のアクセラレータープログラムに採択され、革新的なCBDドリンクの開発を実現させたブランドです。
多くの大手企業が慎重な姿勢をとり、中にはCBDと聞いただけで門前払いする企業さえある中、どのようにして『明治』の協力を得られたのでしょうか?
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「ゴミを価値に」から「悪を価値に」へ
CBDライブラリー:子ども服ビジネスから、CBDビジネスへのシフトチェンジというのは、思い切った変わり身ですね。きっかけは何でしょうか?
長森:会う人会う人に「何があったの?」と心配されます。
でも、私の存在意義として大事にしている「価値転換」というテーマとしては、一貫しているんです。
というのも、以前、経営していた『キャリーオン』は、子どもが成長してサイズが合わなくなった服をオンラインで買い取るサービスだったんですが、起業した2013年当時、フリマアプリやオークションサービスは多くありませんでした。
着られなくなった子ども服の処分は、たいていは捨てられるか、段ボールいっぱいに詰めて買取店舗に持ち込むか。
しかも、新品に近い状態でも、買い取り価格は1箱¥100程度。
ゴミ同然の価値だったんです。
『キャリーオン』は、ゴミと思われていたものに資産性を見出すビジネスとして、価値転換し、人々の生活に役立てることができました。
CBDも、健康成分としてその効果が注目されていますが、その原料である大麻は、日本ではまだ「悪」のイメージですよね。
そのため、多くの方にCBDの価値が正しく理解されていません。
私はこの状況を「ゴミを価値に変える」チャレンジに似ていると感じているんです。
つまり、社会的に誤解や偏見があるCBDを、人々の健康や生活の質を向上させるために価値転換することは、『キャリーオン』を成功させた、私にしかできないテーマなんです。
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食品開発経験も調達先も製造先もないまま、丸腰のプレゼン
CBDライブラリー:確かに、CBDほど誤解や偏見がある分野はありません。長森さんの「ゴミを価値に」変えてきたイノベーティブな実績が活かせそうです。一方で、CBDのような分野だと『明治』のような大手企業は、リスクと捉えるようにも思います。どうやって『明治』の協力を得られたのでしょうか?
長森:今思えば、よく『明治』さんの門を叩いたと思います。
ただ『キャリーオン』経営時代、ご縁があってシリコンバレーに行く機会があり、先進地でのCBDビジネスの広がりをダイレクトに体感していたこと。
そして私自身、時差ボケや不眠に悩まされることが多く、CBDのユーザーとして恩恵を受けていた経験から、絶対的な自信がありました。
いいものはいいのですから『明治』さんだからといって、躊躇することはありませんでしたね。
元々『明治』さんとの出会いは、同社のアクセラレータープログラムです。
これは、スタートアップ企業に対して、『明治』さんがリソースなどの支援を行い、事業の成長を加速させるプログラムです。
私がCBDビジネスの構想を描いていた時に、たまたま開催告知を見て、すぐさま応募したところ、応募から採択された6社の一つに選ばれました。
▶︎ 『明治アクセラレーター』公式サイト
当時はまだ、CBD原料の調達先も製造先のめどもなく、まさに丸腰。
あるのはCBDの価値を信じる情熱と、データを元にしたビジネスプランをまとめた10枚のプレゼンテーション資料だけでした。
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保存試験に失敗。原料から見直しという絶望からの再スタート
CBDライブラリー:『明治』さんのリソースを活用できたら、採択後は、順調ですよね?
長森:とんでもない!
実際には山あり谷ありで、ニーズ調査やターゲットの絞り込み、商品の方向性について試行錯誤が続きました。
当初の構想は、CBDコスメブランドですよ。
その後『明治』さんと議論を重ねて、ペット用CBD、その後CBDドリンクへと、2度ピボットしています。
最終的にCBDドリンクにたどり着いてから、ようやく原料の調達先やOEM製造先の開拓がスタート。
CBDの取扱は、『明治』さんやOEM製造先にとっても未知の領域ですから、通常にはない書類や手続きを求められました。
製造過程も困難の連続です。
それまで一般流通していたCBD商品は、味や香りにクセがあり、消費者にとって求めやすい物とは思えませんでした。
味のこだわりは譲れず、何十種類もの香料から選定し、0.5%刻みで配合量を変え、試作を繰り返しました。
そしてようやく納得いく味ができあがり「いよいよリリース!」というところで、最後の保存試験が失敗。
結果を聞いた時は、さすがに絶望しかけました。
プロジェクトメンバー全員が集まった会議室は終始無言で、まるでお通夜でしたね。
保存試験の失敗は、追加の開発コストを意味します。
やり直すか、損切りするかの選択を迫られましたが、経営者として、私の決断は「やり直す」でした。
OEM製造先と原因と対策を話し合い、風味改善のために原料を再選定の上、製造プロセスの見直しを行いました。
そして日向夏を加えることで課題がクリアされ、再度保存試験に挑戦した結果、無事、合格しました。
この時、最初の構想から2年が経っていました。
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ニューヨークで確信。日本のCBDは世界に通用する
CBDライブラリー:それは大変な道のりでしたね。今後のステップについて聞かせてください。
長森:国内はもちろん、海外のCBD市場にもチャンスがあると見ています。
海外の店舗や展示会を視察するたびに痛感するのは、とにかくCBDが美味しくないこと。
そして日本発の食品や飲料は、現地のバイヤーや消費者から高い評価を受けていること。
CBDに関して、日本は後進国といわれますが、日本の洗練された品質と細部へこだわった風味を反映したCBD商品は、世界に通用すると確信しました。
先日も『JETRO(日本貿易振興機構)』が主催し、経産省が支援する、海外展開を加速するプログラム『GSAP』にも参加。
ファイナリストに選ばれるなど、準備も着々と進めています。
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認知度や規制、価格など、クリアすべき課題は山積み
CBDライブラリー: 日本のCBDブランドとして、すでに海外を視野に入れているなんて驚きです!国内のCBD業界を見ていて、感じるところはありますか?
長森:徐々に広まっているとはいえ、まだまだ認知度が低く、効果や安全性への正しい理解が浸透していません。
教育や啓発を含めたマーケティング活動が不可欠ですが、広告規制が強く、劇的な認知度アップが難しい現状です。
さらに、マーケティング活動に投資しようにも、業界の特殊性から、金融サービスを受けにくく、資金調達面でもハンディキャップがあります。
銀行の口座開設ができない、融資やEC決済の審査が通らないといったことは日常茶飯事で、他の業界なら当たり前のインフラが整っていないことが多いです。
こうした様々な規制が、高コストな事業体質につながり、商品価格に反映されるため、消費者にとっては商品が高価に感じられることも少なくありません。
これが市場の拡大を妨げる一因となっています。
私たちのもとには、日々、大手企業から協業の問い合わせがありますが、実態を知ると、結局、様子見モード。
だからこそ、当社のようなスタートアップ企業が価値転換の扉をこじ開けるため、存在するのです。
子ども服だろうが、CBDだろうが、私の存在意義はそこなんですよ。
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まとめ
CBDを取り扱う企業でありながら、大手食品メーカー『明治』との共同作業を実現させてきた『Leaflow』。
その秘密をご理解いただけたのではないかと思います。
食品開発経験も調達先も製造先もないまま、丸腰のプレゼンという、一見、無鉄砲な挑戦。
しかし、長森氏の情熱と品質へのこだわりは、間違いなく『明治』とのパートナーシップを築く原動力となりました。
多くのCBD事業者が日本での活動につとめる中、いち早くグローバル市場での勝負も見据えたその姿も、まさにCBDビジネスでハイになれ=熱狂を体現しています。
慶應義塾大学卒業後、デンマークの海運最大手『Maersk Line』に入社。その後フリーランスの通訳として国際会議等で活躍。2013年に子ども服の買取・販売コミュニティ、『株式会社キャリーオン』を設立し、国内最大規模のサービスに成長させる。2021年、『株式会社キャリーオン』を売却し、CBD輸入販売を手掛ける、『株式会社Leaflow』を設立。
▶︎ 『Leaflow』公式ページ
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