この記事は、
「WHO(世界保健機関)は何をレビューするの?」
「今後、大麻(麻)は違法じゃなくなるの?」
という方のためにお届けします。
\法律の規制条件をクリアした厳選ラインナップ/
長らくマリファナと呼ばれ、依存性と中毒性が高く、危険でダーティな薬物という扱いを受けていた大麻のイメージが変わるかもしれません。
というのも、2018年11月12日〜16日にかけて、スイス・ジュネーブに本部を置くWHO(世界保健機関)が第41回ECDD(依存性薬物専門委員会)で、大麻のリスクを再評価するレビューを開始したのです。
医師や薬学・毒学・化学・バイオテクノロジー・心理学を専門に研究する大学教授たち11名によって、科学的なエビデンスに基づいて検証されます。
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どんな意味を持つ会議なのか?
大麻の危険性やリスク、ひいては今の規制が妥当なのかを再評価する会議です。
現在、大麻は1961年に定められ、世界185カ国が批准する、『麻薬に関する単一条約』という国際条約で規制されています。
一方で近年、「医療大麻」という言葉も生まれるほど、世界各国でその有用性が話題になっています。
もしレビューの結果、科学的に大麻の有用性が証明された場合、『麻薬に関する単一条約』の規制分類や規制レベルを変更する勧告が、WHOから国際連合へ行われる可能性があるのです。
WHO(世界保険機関)は、国際連合の専門機関として、世界の健康問題の解決を支援・指導するリーダーシップ組織です。
WHOの勧告が、世界中に大きな影響を与えることは間違いありません。
疾病を抱えた多くの患者が、医療大麻の可能性について希望を抱いている中、非常に注目されています。
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歴史で振り返る大麻の規制
冒頭で「依存性と中毒性が高く、危険でダーティな薬物」とは言いましたが、人類の長い歴史において、大麻が規制され始めたのは実はここ最近の話。
紀元前から人の手によって栽培されており、現在は世界中に分布したなじみ深い農産物です。
戦前の日本でも万能薬として扱われており、古くから利用価値を認められていた農産物。
その扱いが変わったのが、アヘン戦争以降です。
アヘン(ケシ)をめぐった貿易問題や健康上の危険性が指摘され、20世紀初頭、『国際アヘン条約』で、大麻含めて規制されるようになりました。
日本でも、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の占領政策の下、1948年に制定された『大麻取締法』によって、大麻の所有、栽培はおろか、医療目的であっても厳しく規制されています。
大麻取締法第四条
何人も次に掲げる行為をしてはならない。
一 大麻を輸入し、又は輸出すること(大麻研究者が、厚生労働大臣の許可を受けて、大麻を輸入し、又は輸出する場合を除く。)。
二 大麻から製造された医薬品を施用し、又は施用のため交付すること。
三 大麻から製造された医薬品の施用を受けること。
四 医事若しくは薬事又は自然科学に関する記事を掲載する医薬関係者等(医薬関係者又は自然科学に関する研究に従事する者をいう。以下この号において同じ。)向けの新聞又は雑誌により行う場合その他主として医薬関係者等を対象として行う場合のほか、大麻に関する広告を行うこと。
特に、大麻に含まれる成分、THC(テトラヒドロカンナビノール) に精神変容性があり、幻覚作用や記憶・学習能力に悪影響を与えると危険視されています。
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大麻は病気に効く?『医療大麻』の登場
規制によって、表舞台から姿を消した大麻ですが、その後、「やはり大麻は病気に効くのでは?」と一部の市民が訴えるようになりました。
『医療大麻』とは、特定の種類の大麻ではなく、医療目的で使用する大麻を指します。
まだ研究途上であり、「医療大麻が病気に効く」と断言できるほど科学的に証明されていません。
しかし最近の臨床実験で、健康維持や様々な疾病に対する効果事例も出てきました。
1996年、アメリカのカリフォルニア州では世界で初めて「医療大麻」が、合法化。
この医療大麻法の制定に尽力したトッド・ミクリヤ医師は、大麻の成分カンナビノイドが適応する疾患を250種類リストアップ。
特に、てんかん・炎症・不眠・統合失調症・多発性硬化症・がんでの有用性に定評があります。
そしてカンナビノイド最大の有効成分が、まさにCBDなんですね。
医療大麻は、今や首都と全50州中の内、33州で認められ、2018年12月には農業法改正が成立。
THCの濃度が0.3%以下の大麻を産業用ヘンプと定義し、全米で規制物質の対象外となりました。
いずれ連邦法も見直しされる見込みです。
WHOが今回、評価を見直すレビューに踏み切ったのは、こうした合法化の流れがあってのこと。
▼世界の大麻の合法化マップ(タイトル左端にある、→をクリックすると、マップ全体の説明文が左サイドに表示されます)
2017年「カンナビジオール(CBD)事前審査報告書」でも、
CBDが多くの他の健康状態のために有用な治療であるかもしれないという初期的なエビデンス(科学的証拠)もある。
とコメントしています。
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第41回ECDDの議題
最後に、議題を共有いたします。
WHO公式ページを翻訳した抜粋内容になります。
第一部:手続き事項と最新情報(2018年11月12日)
- 会議の開会と挨拶
- 手続き事項
- 国際機関の優先事項の更新
- ECDD会議の勧告と成果に関する最新情報
- オピオイド危機に取り組む国際戦略
- AOB
第二部:精神活性物質の重要なレビュー(2018年11月13日〜15日)
大麻および大麻関連物質
- 大麻と大麻の樹脂
- 大麻の抽出物およびチンキ
- Delta-9-THC
- THCの異性体
薬
- トラマドール
- プレガバリン
フェンタニル
- シクロプロピルフェンタニル
- メトキシアセチルフェンタニル
- オルソ – フルオロフェンタニル
- パラフルオロブチフェンタニル
- パラメトキシブチルフェンタニル
- 合成カンナビノイド
- ADB-FUBINACA
- FMB-AMB(MMB-FUBINACA_AMB-FUBINACA)
- ADB-CHMINACA
- CUMYL-4CN-BINACA
(メタ)カチオン類
- N-エチルノルペンチレン
第三部:委員会のレビューと報告書の採択(2018年11月16日)
薬物依存専門家委員会第41回会議の暫定アジェンダ(WHO)
健康は、活力ある生活を営む上で、ベースとなる人間の資源。
その健康に役立つ未知の可能性が、大麻やCBDにはあります。
なんとなくイメージで語られていた、大麻の危険性と可能性が少しでも明らかになることを期待して、会議の行く末を見守りましょう。
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