【神経科学者監修】CBDオイルに、依存性はある?

(当記事は、アメリカでの法律、研究に基づいて作成されています)

近年では、CBDの利点を明らかにする研究が増えています。

CBDには、社会不安障害を軽減する効果に加え、抗炎症作用や、発作の抑制効果があることが報告されています。

アメリカ以外の国でも、CBD(カンナビジオール)を合法的に使えるようになってきました。

カナダでは、成人の大麻(麻)使用を合法化する「大麻法」が成立したことにより、ヘンプ(産業用大麻)由来とマリファナ(嗜好用大麻)由来のCBDが、全州で使えるようになりました。

EU(欧州連合)では、ヘンプ由来のCBDオイルの規制ガイドラインが設けられ、THC含有率が0.2%以下のヘンプ栽培を認めています。

南米の多くの国では、CBDオイルや医療用大麻全般に対する規制が緩和されています。

チリのように、すでに本格的な医療用大麻プログラムを確立している国もあれば、メキシコとブラジルのように、特定の病気の治療目的でCBD商品の輸入を認めている国もあります。

CBDのメリットの可能性の認識が高まっている一方で、CBDが薬物依存を引き起こすのではないかという懸念も残っています。

これは、酩酊作用のないCBDと、酩酊作用のあるTHCの2つが混同されていることが原因と考えられます。

CBDと体内のエンド・カンナビノイド・システムの受容体の相互作用に、THCのような精神活性作用はありません。

実際のところ、CBDは基本的に、THCが神経系の受容体に結合するのをブロックすることで、THCの作用の一部を弱めます。

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CBDオイルに依存性はある?

CBDはTHCのような高揚感をもたらさないため、CBDが乱用される可能性は低いと科学者たちは考えています。

Journal of Drug and Alcohol Dependence』誌に掲載された2017年3月の論文は、大麻喫煙とCBDの効果について調べた先行研究の詳細を、CBDの依存性に注目して二次分析したものです。

この研究では、マリファナをよく吸う人たちに、さまざまな量のCBDを、単独またはマリファナ喫煙と組み合わせて経口投与しました。

その結果、CBDの乱用の可能性はプラセボと変わらないレベルであることが示されました。

2011年の論文では、健康な被験者が1日あたり1,500ミリグラムの高用量でCBDを摂取しても問題はなく、THCや他のカンナビノイドに比べて、CBDは安全性が高いと結論づけています。

CBDは、THCのように運動機能や心理的機能を損なったり、心拍数・血圧・体温を変化させたりすることもありませんでした。

THCには依存性があり、多くのCBD商品には、さまざまな濃度のTHCが含まれています。

CBDオイルに依存性があるかどうかは、どの原料からつくられたのかによって異なります。

▲CBDオイルの原料には、ヘンプとマリファナの両方が使われています。ヘンプから抽出したCBDオイルには、THCはほとんど含まれていません(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)

CBDを産出する大麻草は「マリファナ(嗜好用大麻)」と「ヘンプ(産業用大麻)」の2つに分類されます。

ヘンプから抽出したCBDオイルには、THCはほとんど含まれないため(米国連邦法では0.3%未満)、 THCの大量摂取による離脱症状を引き起こす危険性はありません。

マリファナ由来のCBDは、酩酊作用を目的に栽培されている大麻草から抽出されます。

ヘンプ由来のCBDオイルとは異なり、マリファナ由来のオイルは、連邦政府の規制値である0.3%を超える濃度のTHCが含まれることがよくあります。

CBDオイルのTHC含有量が特に高い場合、オイルを過剰に使うと、大麻の離脱症状が出る可能性があります。

THC濃度が0.3%を超えるCBDオイルは、医療用大麻または成人の大麻使用が合法とされる州でのみ入手可能です。

▲CBDには依存性がないと言われていますが、日常的に大量のCBDを摂取する人が急にやめてしまうと、副作用が出る可能性があります(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)

CBDにTHCのような依存性はありませんが、日常的に大量のCBDを摂取していた人が急にCBDの使用をやめてしまうと、睡眠の変化や炎症、不安感などの副作用が出る可能性があります。

CBD商品を使用する際にTHCを避けることは可能ですが、CBDとTHCの組み合わせは、治療効果を高めると同時に副作用を抑える「アントラージュ効果」をもたらすことが知られています。

例えば、がん性疼痛の患者を対象とした2010年の研究では、THCとCBDを併用して摂取する方が、THCとプラセボ(偽薬)の併用よりも疼痛の治療に効果的であることがわかりました。

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CBDは依存症対策に役立つかもしれない

CBDは、大麻の離脱症状など、THCの有害な反応を軽くする効果があるという証拠があります。

2013年の論文では、大麻の離脱症状を訴える19歳の女性に、CBDを10日間投与したところ、離脱症状が効果的に軽減されました。

2010年に『Neuropsychopharmacology』誌に掲載された別の論文では、合計94人の大麻使用者を対象に、大麻商品におけるCBDとTHCの比率が、薬効の強さや、薬の刺激に対する潜在的注意バイアス(関心の高さ)にどのような影響を及ぼすか調べました。

その結果、低用量CBDの大麻喫煙者と比較して、高用量CBDの大麻喫煙者は、薬物刺激や食物刺激に対する注意バイアスが減少し、大麻の刺激を好む感覚も低下することがわかりました。

研究チームは「CBDは大麻依存症の治療薬としての可能性を秘めている」と結論づけ、他の依存症の治療薬としても期待できるとしています。

これまでの研究では、CBDオイルがタバコやオピオイドなど、他の危険な物質への依存を防ぐ可能性も示されています。

Addictive Behaviors』誌に掲載された2013年の研究では、タバコの消費量を減らす手段としてのCBDの有効性が検討されました。

24人のタバコ喫煙者を対象に、半数の被験者にCBD吸入器を、もう半分の被験者にはプラセボ(偽薬)吸入器を与え、タバコを吸いたくなったら吸入器を使用するよう指示しました。

1週間の実験で、CBDを摂取した人々のタバコ喫煙本数は40%減少しましたが、プラセボを摂取した人々のタバコ喫煙本数に顕著な違いは見られませんでした。

▲CBDは大麻依存症の治療薬としても期待されています(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)

CBDには、他の依存性物質の使用を抑制する効果があると言われています。

2018年3月22日に『Neuropsychopharmacology』誌に掲載された前臨床試験では、アルコール依存症やコカイン依存症のような行動を示すラットに、CBDジェルを投与しました。

その結果、CBDは薬物使用を減らす効果があり、薬物依存の一般的な副作用である不安や衝動性などの症状も軽減する効果が見られました。

酩酊作用のないカンナビノイドであるCBDは、依存症の人の治療でも役立つことが期待されています。

American Journal of Psychiatry』誌に掲載された2019年5月の研究では、ヘロイン依存症患者における、薬物への渇望感をCBDが軽減することがわかりました。

研究者は、平均13年間にわたってヘロインを使用していた成人42人を募集。

3グループに分け、あるグループにはCBDを800mg、別のグループにはCBDを400mg、そしてもう一つのグループにはプラセボを投与しました。

CBDを投与されたグループは、プラセボを投与されたグループに比べ、薬物刺激によって引き起こされる、薬物への渇望感および不安感の両方が有意に減少しました。

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CBDオイルの副作用

CBDはTHCのような酩酊作用はありませんが、CBDオイルの副作用の可能性への配慮は重要です。

米国の学術医療機関である『メイヨー・クリニック』の発表によると、CBDの使用は、口の渇き・下痢・食欲不振・眠気・疲労感などの副作用を引き起こす可能性があります。

また、アーカンソー大学メディカルサイエンス校の研究者は、CBDの肝毒性に関するマウスの研究で、CBDが肝毒性のリスクを高めることを発見しました。

現在、FDA(米国食品医薬品局)が承認している唯一のCBD商品『エピディオレックス』というてんかん治療薬にも、他のヘンプ由来のCBD商品と同様の副作用があります。

▲CBDは、薬物使用を抑える効果があり、不安や衝動性などの薬物依存の副作用を軽減します(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)

このヘンプ繊維由来の商品には、通常、CBDやTHCは含まれていませんが、CBDオイルの副作用の多くは、眠気や疲労感など、ヘンプ・オイルの副作用と似ていますが。

CBDは依存や乱用の可能性が低いため、離脱症状は最小限に抑えられるはずです。

しかし、それぞれの人が、使用するメリットと潜在的なリスクとのバランスを各自で判断しなければなりません。

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薬の相互作用

CBDにまつわる、もう一つの懸念は、抗凝固薬(血栓予防薬)など一部の処方薬に悪影響を及ぼす可能性についてです。

1993年の研究では、CBDがシトクロムP450という肝臓の代謝酵素群に結合して、その働きを阻害することがわかりました。

シトクロムP450酵素群は、70〜80%の医薬品の分解と排出に関わっています。

この阻害作用により、患者は低用量の薬でも効果が得られる一方で、医薬品の有害な成分が分解されずに体内に蓄積されるおそれもあります。

<参考文献>
ウィードマップス(weedmaps)』アディ・レイ博士によるレビュー(2021年7月19日)
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