【丸ごと解説】クローンとは?

(当記事は、アメリカでの法律、研究に基づいて作成されています)

クローンとは、大麻の親株(雌)の遺伝子をコピーした大麻(麻)のことです。

信頼できる育苗者から入手したクローンは、遺伝子が安定しています。

雄や品質の悪い大麻草(収穫量が少ない、匂いが良くないなど)を入手するリスクを避けたい生産者は、種子ではなくクローンから育てます。

「自分の庭で雄を育てないように、クローンを購入しています」

「この雌株は健康なのでクローンに適しています」

大麻(麻)のクローン

▲写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス

大麻のクローンの詳細

大麻のクローンは、無性生殖の方法です。

単一の親株を複製します。

健康に育った雌株の一部を切り取り、条件を整えて、遺伝的にまったく同じ植物に成長させます。

クローンの主な目的は、大麻植物の遺伝子の再現と保存です。

親株と同じ環境下で育つと物理的・化学的特徴を受け継ぐ傾向があります。

交配したものよりも、その傾向は飛躍的に高くなります。

環境条件が一貫している限り、クローンは親株とほぼ同じカンナビノイドとテルペンプロファイルになるはずです。

また、栄養分を取り込んだり、病害虫や菌類へ抵抗する能力なども受け継ぎます。

なぜ種子よりもクローンなの?

プロや家庭で栽培する人が種子よりもクローンを好むのには、いくつか理由があります。

大麻はヘテロ接合型の植物で、多様な子孫を残します。

栽培者やホームグロワーは、植物が同じ特徴であることを期待しますが、交配させた大麻では不可能です。

自宅で栽培する人にとって、クローンは時間とお金の節約になります。

種子から生育すると、性別が分かるのに1ヶ月かかることもあります。

もし雄株だった場合に無駄になる光熱費、栄養剤などの費用も節約できます。

クローンを使えば、最初から雌か雄が分かります。

また、クローンは種子とほぼ同じ価格で販売されています。

栽培者は、遺伝子の一貫性のためにクローンを好みます。

まったく同じ苗を使えば管理下で試せるので、栽培者は信頼して効果の見積り、再現ができます。

最適な生育スケジュール(肥料の配合やタイミング、開花時期など)もあらかじめ決められます。

こういった利点があるので、栽培者はより順調に栽培できるでしょう。

クローンにはデメリットもあります。

遺伝的に同一の場合、栽培においては有利ですが最悪の結果を招くこともあります。

その種が防御出来ないような有害な環境にさらされると、全滅してしまうのです。

しかしながら、クローンの遺伝的一貫性は長所のほうが圧倒的に多いです。

親株からクローンを採取する方法

親株からクローンを挿し木する方法は比較的簡単です。

以下のような道具が必要です。

  • 長さ10.16~50.8cmの生長した枝を持つ、丈夫で健康な親株
  • カミソリの刃
  • 水の入ったコップ
  • 発根用の培地
  • 発根促進剤(オプション)
  • 蛍光灯
  • クローン用ドームまたは切り口を覆うポリ袋

挿し木用の親株を選ぶ際は、発芽後1ヶ月以上の雌株を選びましょう。

挿し木は親株の成長を妨げます。

健康な状態であることを確認しましょう。

水分不足もしくは過多に見える場合は、挿し木は控えましょう。

親株は、発育状態を保つために管理が必要です。

他の植物から隔離して、18時間点灯/6時間消灯のサイクルで光を当てるのが理想的です。

挿し木を始める前に、カミソリの刃を消毒しましょう。

クローンが致命的な細菌に感染しないために重要な作業です。

親株からクローンを選ぶ際には、枝の節が4つ以上あるものにしましょう。

もしくは新しい葉が出ている箇所を探します。

プロが推奨する適切な枝の長さは、約10.16~40.64cmです。

枝を45度の角度で切り、2つ目の節より下の枝葉をすべて取り去ります。

手入れの後はすぐに水に挿しておきましょう。

塞栓症(エンボリズム)や空気泡が蒸散作用を阻害して、枯れてしまうのを防ぐためです。

発根促進剤などはオプションですが、塞栓症のリスクを軽減し、成長を早めるホルモンや栄養分を供給します。

挿し木が全てできたら、発根促進剤に浸して、そっと培地に挿します。

キューブ状のロックウールを使うなら、挿し木でキューブに穴を開けてください。

そうすることで、根に光が当たらず、切り口がしっかりカバーされます。

発根には高い湿度が必要です。

根が吸水できるようになるまで、クローン用のドームに切り口を入れて、湿度を75~90%に保ちましょう。

7~14日で根が形成され始めたら、植え付けができます。

クローンを長期保存する方法

予備などを取っておきたい場合は、冷蔵保存ができます。

安全かつ簡単で、冷蔵庫で2~3ヵ月間保存できます。

良い状態を保つには、挿し木を濡れたペーパータオルに包み、再封可能な袋に入れます。

袋の中に少し空気が入った状態で閉じます。

冷蔵庫に入れ、週に1回は中の空気を入れ替えてください。

冷凍庫には入れないでください。

挿し木を約5℃以下に置くと、植物の細胞壁が破裂する恐れがあります。

挿し木を冷蔵庫から取り出したら、水に30分ほど浸けて温めます。

長期間冷蔵していた場合、発根までに時間がかかることがあります。

茎を1.27cmほど切り取り、できれば発根促進剤に濡らすことで発根が早まります。

クローンを購入するには

クローンは、ディスペンサリーでの購入がおすすめです。

そのうち、より正統な栽培品種を選別し、確保できるようになるでしょう。

信頼のおけるディスペンサリーからクローンを購入しましょう。

「クローン購入」のデメリットは、害虫やカビのリスクです。

ほとんどのディスペンサリーでは、仕入れたクローンに病気(うどんこ病)や害虫(ハダニや根アブラムシなど)が発生していないか?注意して調べています。

しかし、すべて除去するのは至難の業です。

クローンを購入したら、家に持ち帰る前に再確認してください。

ハダニは、有機農薬への耐性が付いてきているので注意が必要です。

購入の際は、クローンの根や大きさ、色もしっかり確認しましょう。

培地の表面に根が見えてるものを選びましょう。

背の高さは10.16cm以上、できれば15.24~20.32cmで、茎が太いものが良いでしょう。

明るいまたは濃い緑色で、黄色の斑点が少ないものを探しましょう。

クローンを持ち帰ったら、1〜2週間ほど隔離しましょう。

庭を、持ち込んだ病害虫やカビで汚染させないためです。

また、有機農薬をためらわずに使いましょう。

害虫やカビを持ち込むリスクを最小限にしてくれます。

<参考文献>
ウィードマップス(weedmaps)』編集部によるレビュー(2021年6月18日)
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