(当記事は、アメリカでの法律、研究に基づいて作成されています)
Δ8-THC(デルタ8 テトラヒドロカンナビノール)はマイナーカンナビノイドで、大麻(麻)の中にごくわずか含まれています。
Δ8-THCは、一般的にTHC(テトラヒドロカンナビノール)と呼ばれるΔ9-THC(デルタ9テトラヒドロカンナビノール)が分解された化合物でもあります。
THCを長期間保存すると、デルタ-8-THCに分解されます。
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Δ8-THCとは?
大麻には、100種類以上のカンナビノイドが含まれています。
Δ9-THC(一般的にTHCとして知られる)や、CBD(カンナビジオール)などの主要カンナビノイドについては、ある程度の基礎知識が知られています。
しかし、Δ8-THCのような、マイナーカンナビノイドについてはあまり知られていません。
THCは、大麻に含まれるカンナビノイドの中で最も多く含まれる精神活性物質ですが、Δ8-THCは、THCとは異なります。
Δ8-THCはTHCの類似体であり、分子構造は似ていますが、いくつかの顕著な違いがあります。
食欲増進・吐き気の軽減・痛みの緩和など、多くの似た特性を持ちますが、Δ8-THCを吸引した場合は、THCよりも精神活性作用が少ない傾向があります。
しかし、Δ8-THCを経口摂取した場合は、THCと同じような酩酊感を得ることができます。
そのため、はじめてΔ8-THC商品を試す際には、THC商品と同様の注意を払ってください。
▲Δ8-THCを経口摂取すると、THCと同じような酩酊感を得ることができます(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)
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Δ9-THCとΔ8-THCの共通点と違い
いくつかの観点から、この2つの化合物の特徴を比較することができます。
化学構造
化学的、または構造的な特徴としては、Δ8-THCとΔ9-THCは、重要な化学結合の位置が異なります。
どちらのTHCも、分子鎖に二重結合を含んでいます。
Δ8-THCCは、二重結合が8番目の炭素鎖にあるのに対し、Δ9-THCは9番目の炭素鎖にあります。
これは些細な違いのように思えますが、これが分子の形に大きな影響を与えます。
この形状は、体内のエンド・カンナビノイド受容体との結合しやすさを決定します。
分子の安定性
Δ9-THCは、Δ8-THCよりも安定性が低い分子です。
Δ9-THCは酸化されやすく、CBN(カンナビノール)やΔ8-THCに変化します。
このような安定性は、医薬化合物として望ましい性質です。
▶︎ 小児がんにおける効率的な新規カンナビノイド系制吐剤の開発(英文)
カンナビノイド受容体への親和性(結合の強さ)
Δ8-THCを吸入すると、Δ9-THCと同じく、CB1受容体に結合します。
しかし、分子構造や形状がわずかに違うため、受容体に対する親和性(結合の強さ)が異なります。
CB1受容体は、THCの精神活性作用のほとんどを媒介する役割を担っています。
Δ8-THCが、Δ9-THCよりも不安感が少なく、明確な高揚感をもたらすと言われているのは、この結合の違いによるものかもしれません。
また、Δ8-THCの分子構造が、他の受容体や神経系との相互作用に影響を与えている可能性もあります。
摂取による効果
Δ9-THCには、酩酊作用があるという臨床的証拠や体験談が多くあります。
一方、Δ8-THCの作用については、あまり分かっていません。
Δ8-THCは、高濃度でもΔ9-THCよりマイルドで明確な高揚感をもたらすと言う人もいます。
しかし、薬理学的には、Δ8-THCはΔ9-THCと非常によく似た働きをし、どちらも肝臓で11-ヒドロキシ-THCに変換されます。
Δ8-THCについては、まだ解明されていないことが多く、また、経口摂取するか?吸引するか?によっても効果が大きく異なるため、THC商品と同様の注意を払って扱うのが賢明です。
▶︎ Delta-8- and delta-9-tetrahydrocannabinol; 経口および静脈内投与によるヒトでの比較(Clinical Pharmacology&Therapeutics:英文)
▶︎ ヒト薬物代謝酵素の基質、阻害剤、誘導剤としての外因性カンナビノイド:システマティックレビュー(Drug Metabolism Reviews:英文)
Δ8-THCの治療薬としての可能性
さまざまな前臨床試験や臨床試験により、Δ8-THCの特性や、治療における可能性が明らかになっています。
▲さまざまな前臨床試験や臨床試験により、Δ8-THCの特性や、治療における可能性が明らかになっています(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)
痛みと炎症
『Cannabis and Cannabinoid Research』誌に発表された2018年の前臨床研究によると、Δ8-THCが、マウスの角膜損傷における痛みと炎症の軽減に役立つ可能性があることがわかりました。
この研究では、患部に塗布したΔ8-THCが、CB1受容体への作用を通じて、痛みの軽減を助け、炎症を抑えることがわかりました。
また、ラットを用いた別の前臨床試験では、Δ8-THCは痛みを和らげる効果があるものの、耐性が急速に生じることが報告されています。
▶︎ カンナビノイドΔ8THC、CBD、HU-308がそれぞれ異なる受容体を介して角膜の痛みや炎症を抑える(Cannabis and Cannabinoid Research:英文)
▶︎ 意識のあるラットへのdelta8-THCの急性および慢性投与時の鎮痛作用、心拍数および体温への影響(Pharmacology:英文)
不安
米国国立医学図書館によると、Δ8-THCはΔ9-THCと同様に不安を軽減する効果を持っています。
Δ8-THCを摂取すると、穏やかで集中力のある高揚感が得られるという体験談もあります。
しかし結論を出す前に、Δ8-THCの抗不安作用に関する、より多くの臨床研究が必要です。
吐き気
1995年に『Life Sciences』誌に掲載された論文で、Δ8-THCの、吐き気を抑える効果が報告されています。
この研究では、8人の小児がん患者を2年間にわたって追跡調査し、がん治療の24時間前と24時間後にΔ8-THCを摂取した場合、嘔吐が起こらなかったことを明らかにしました。
この研究では、Δ8-THCの副作用はほとんど報告されていません。
食欲不振
Δ8-THCには、食欲を増進させる効果があると言われています。
2004年に『Pharmacology, Biochemistry and Behavior』誌に掲載された論文によると、低用量のΔ8-THCを50日間にわたってマウスに投与したところ、対照群に比べて食物摂取量が22%増加しました。
また、Δ8-THCは、食欲増進効果があるとわかっているΔ9-THCよりも、摂食量が有意に増加したことも報告されています。
▶︎ ごく低用量のdelta 8-THCを摂取すると、体重減少に伴って食物摂取量が増加し、神経伝達物質のレベルが変化する(Pharmacology Biochemistry and Behavior:英文)
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副作用と注意点
Δ8-THCは、マイナーなカンナビノイドであるため、まだ解明されていないことが多く、慎重に使用する必要があります。
大麻のバッズ(花)に含まれるΔ8-THCは1%未満であることから、現在、一般的には濃縮された形で販売されています。
▲Δ8-THC商品を初めて使用する際は、ご注意ください(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)
このカンナビノイドを大量に得るためには、かなりの量の大麻の抽出と精製が必要です。
Δ8-THCを濃縮した商品にはアイソレートもありますが、より完全な効果を得るために、Δ8-THCとCBDやΔ9-THCを組み合わせた商品もあります。
Δ8-THCの使用を検討している方は、このカンナビノイドに関する現在の知識の多くが、動物実験に基づいていることを認識しておく必要があります。
動物を使った研究では、Δ8-THC(およびΔ9-THC)は、一時的に血管を収縮させて血圧を上昇させ、その後、血圧と心拍数を長時間低下させることが示されています。
動物で観察された効果は、ヒトにおける効果とは大きく異なる場合があることが『Pharmaceuticals』誌に掲載された2018年のシステマティックレビューで明らかになっています。
例えば、Δ8-THCは、動物では心拍数を顕著に低下させましたが、ヒトでは逆に、心拍数が増加しました。
Δ8-THCの効果に関するデータは少なく、血流に対する影響を知るためには、ヒトの集団において、さらなる研究を行う必要があると、このレビューの著者は結論づけています。
結論
Δ8-THC商品を初めて使用する際は、上記についてご注意ください。
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デルタ-8-THCの経口摂取 vs 吸引(使用法による違い)
経口摂取したΔ8-THCは、Δ9-THCと同じく、肝臓で11-ヒドロキシ-THCに変換されることを知っておく必要があります。
これは、ヘンプ(産業用大麻)由来のΔ8-THCエディブル(食用)商品が、大麻由来のエディブル(食用)商品と同等の効果を持つ可能性があることを意味します。
多くの人が、そうとは知らずに、Δ8-THCのエディブル商品を食べ過ぎてしまいます。
Δ8-THCエディブル商品は、規制されていないとはいえ、心構えができていない人にとっては、非常に不快な心理的変化をもたらす可能性があります。
一方、Δ8-THCを吸引した場合は、肝臓に送られないため、結果的に、THCと同じような酩酊作用をもたらすことはありません。
結論
Δ8-THCエディブル商品を初めて食べる際には、上記についてご注意ください。
▲Δ8-THCを吸引した場合は、肝臓に送られないため、結果的に、THCと同じような酩酊作用をもたらすことはありません(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)
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よくあるご質問
Δ8-THCはエンド・カンナビノイド・システムにどのように作用しますか?
Δ8-THCは、中枢神経系に存在するCB1受容体に結合します。
また、CB2受容体にも結合しますが、この結合メカニズムについてはあまりよくわかっていません。
Δ8-THCのアントラージュ効果への影響は?
アントラージュ効果とは、THCを摂取するとき、大麻に含まれる他のカンナビノイド・テルペノイド・フラボノイドなどの化合物と一緒に摂取するほうが、THC単独よりも効果的に働くという現象です。
これにより、THCアイソレートに比べて、より良い治療効果が得られます。
アントラージュ効果に関する知見は、Δ9-THCの研究に基づいています。
しかしΔ8-THCは類似の分子であるため、アイソレートではなく、大麻全草を摂取することで、より高い効果が得られると推測されます。
しかし、Δ8-THCのアントラージュ効果や、Δ8-THCが他のカンナビノイドの効果に影響を及ぼすかどうかについては、さらなる研究が必要です。
Δ8-THCが大麻商品に含まれているかどうか知る方法は?
Δ8-THCは、ほとんどの大麻品種においてマイナーなカンナビノイドですが、一部の濃縮タイプ商品には、Δ8-THCが比較的多く含まれています。
Δ9-THCに対するΔ8-THCの割合を確認するには、商品に添付されている分析証明書をお読みください。
『ウィードマップス(weedmaps)』編集部によるレビュー(2021年6月9日)
※当サイトでご紹介する商品は、医薬品ではありません。また、病気の診断、治療、予防を目的としたものでもありません。
※記事はアメリカでの法律、
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