【丸ごと解説】炭化水素抽出とは?

(当記事は、アメリカでの法律、研究に基づいて作成されています)

炭化水素抽出は、最も一般的な抽出・濃縮方法であり、決して新しい技術ではありません。

ブタン(BHO)・プロパン(PHO)・ヘキサンなどの炭化水素は有機溶媒であり、炭素系の物質、すなわち植物体を溶解・分散させることができます。

炭化水素を用いる抽出方法は、1970年代から食品の抽出に使われてきました。

穀物アルコールや冷水などを溶媒として用いる伝統的な抽出方法に対し、炭化水素による抽出は比較的新しい科学技術です。

しかし、食品抽出における炭化水素の有効性は確立されています。

炭化水素抽出技術は、世代を超えて、私たちの食生活には欠かせないものとなっています。

大麻エキスやコンセントレート(濃縮物)など、喫煙以外の使用法を検討しているユーザーは、プロパンやブタンなどの炭化水素を用いた抽出液の特徴や、CO2・エタノール・オイル抽出との違いを、はじめに理解しておくと良いでしょう。

炭化水素抽出とは?

炭化水素抽出の目的は、他の抽出方法と同様です。

植物の有効成分を濃縮するために、植物からエッセンシャルオイル(精油)を分離することです。

▲炭化水素抽出の目的は、植物の有効成分を濃縮するために、植物からエッセンシャルオイル(精油)を分離することです。(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)

炭化水素抽出法は、低温で液化したブタン・プロパン、または何種類かの炭化水素を混合したものを使用して、大麻からカンナビノイドや芳香族テルペンを抽出する技術です。

有益な成分を抽出した後、エッセンシャルオイル(精油)を精製して、嗜好品や薬として使用します。

特に炭化水素抽出は、負の極性(大麻草の一部を溶かし、他の部分はそのままにしておく)と、沸点が非常に低い(プロパンは華氏-43℃、ブタンは華氏-30℃)という特徴を持つため、非常に効率的です。

負の極性を持つことにより、クロロフィルなどの不純物の混入を防ぎ、沸点が低いことにより、溶媒がほとんど残らないのです。

炭化水素抽出はどのように行われるの?

一次抽出では、マルチチャンバー抽出器の加圧されたメイン・チャンバー内で、低温の炭化水素で大麻を洗浄します。

最初のチャンバーで、大麻に含まれるワックス・脂肪・脂質は炭化水素と結合し、大麻原料から分離されます。

その後、抽出されたワックス・油脂・脂質から炭化水素が分離されて、再びメインチャンバーに戻り、繰り返し使用することができます(大気中にガスはほとんど排出されません)。

これが、閉回路抽出と呼ばれるシステムです。


▲一次抽出では、マルチチャンバー抽出器の加圧されたメイン・チャンバー内で、低温の炭化水素で大麻を洗浄します(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)

通常、一次抽出後のオイルは、そのままでも使用できます。

一方、市販品の場合、さらに精製を重ねて、オイルを透明にしたり最終製品の質感を調整したりします。

このプロセスには、多段階のろ過、エタノールなどの溶媒の追加、長時間の撹拌・冷却・乾燥などの工程があり、これらを組み合わせて精製を行います。

炭化水素抽出の安全性は?

プロパンやブタンのような炭化水素は、燃料としてよく使われる揮発性物質であることに懸念を抱く方がいるかもしれません。

しかし「揮発性」とは物質の「気化しやすさ」であって不安定性ではないこと。

また、炭化水素抽出は、FDA(アメリカ食品医薬品局)の食品安全性基準であるGRAS認定を数十年前に受けていることを念頭に置いておくべきでしょう。

また、シャター(shatter)、ワックス(budder)、ハニカムダブ(honeycomb dab)などの大麻濃縮物は、コーン油とは似ても似つかぬものですが、基本的には同じように抽出処理されています。

大麻の炭化水素抽出では、脱炭酸や脱ろうなどの抽出後に行われる長時間処理に加えて、多くのパージ(溶媒除去)工程を経ます。

残留溶媒があったとしてもごくわずかです。

全体的に見ると、炭化水素抽出は、最も安全で、クリーンで、効率的な抽出方法の1つとして、広く認識されています。

炭化水素による大麻抽出物は、純度がとても高く、人気品種の大麻と同じように、テルペン類や、様々な組み合わせのカンナビノイドを豊富に含んでいます。

他の抽出方法との違いは?

炭化水素抽出は、純度と有効性が高く評価されています。

しかし、炭化水素抽出には高度な技術が必要で、家庭用には向きません。

同様に、CO2抽出では、植物原料を溶解・分散させるための複雑な閉回路システムによって、豊富なカンナビノイドを含む高純度の抽出液が得られます。

しかし、こちらも家庭用ではなく、大量生産用の技術です。

これらの抽出法で生産される製品は、実質ほとんど同じですが、それぞれに特長があると言われます。

エタノール溶媒は、エタノールの極性により、脂質・脂肪・ワックスに加えて、大麻化合物を抽出します。

その結果、土や草のような香りになり、薬用で使うユーザーに支持されています。

ロジン(天然樹脂)も同様に、弱火と高圧で抽出するだけなので、残留溶剤や大麻不純物が混ざる心配はありません。

炭化水素抽出物・ロジン、または市販のエタノール抽出物は、最終製品の見た目では区別がつきません。

一般的に、炭化水素抽出液は、新鮮なロジンを用いた濃縮物に代わる手頃な商品です。

CO2抽出液とほぼ同じ仕上がりで、エタノール抽出液のように大麻の不純物が混入していません。

一滴ずつ使うティンクチャーから、油分を含んだ濃厚なダブ(大麻濃縮物)まで、さまざまな質感の商品が取りそろえられています。

ティンクチャーやダブの自作に手を出すまで凝らないにせよ、ダビング用のペン・ベイプペン・オイルペンを初めて選ぶことは、特に低用量バッズ(花)に慣れているユーザーにとっては、重要な瞬間となるでしょう。


▲炭化水素抽出液は、CO2抽出液とほぼ同じもので、エタノール抽出液のように植物由来の不純物は混入していません(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)「二酸化炭素(CO2)抽出法とは?」

結論

初心者の方は、お近くのディスペンサリー(大麻販売店)の大麻商品メニューをご覧になる際に、お気に入りの品種を、バッズではなく抽出液で試してみてはいかがでしょうか。

大麻の炭化水素抽出液を使うと、他に類を見ないユーザー体験を味わえるかもしれません。

そして、気がつけば、どこへ行くにもべイプペンを持ち歩くようになっているかもしれません。

<参考文献>
ウィードマップス(weedmaps)』編集部によるレビュー(2021年1月8日)
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