【丸ごと解説】二酸化炭素(CO2)抽出法とは?

(当記事は、アメリカでの法律、研究に基づいて作成されています)

大麻(麻)エキス(抽出物)の品質は、原料となる大麻のバッズ(花)の品質だけでなく、抽出技術によっても左右されます。

現在、さまざまな抽出技術がありますが、その中でも二酸化炭素(CO2)を使った抽出法は、最もクリーンで安全、かつ効率の良い方法です。

CO2抽出には、超臨界と亜臨界の2種類の方法があります。

いずれも、有効成分を残したまま、抽出に用いる溶媒を残留させることなく、口当たりの良い高品質な商品をつくることができます。

ここでは、CO2抽出の仕組みと、他の抽出方法との違いを紹介します。

二酸化炭素抽出法を使う理由

二酸化炭素は、高圧抽出に使用される最も一般的な化合物です。

植物成分の抽出に使われる他の溶媒と比べて、二酸化炭素には多くの利点があります。

まず第一に、二酸化炭素は無害な物質であり、他の化学物質に比べて低コストで販売されています。

さらに、二酸化炭素は環境的にも安全で、簡単に使用でき、副産物や残留物のない優れた商品をつくることができます。

温度・時間・流量・圧力をコントロールすることで、特定の大麻化合物を正確に抽出することができます。

CBDオイルが入った試験管
▲CO2抽出は、大麻濃縮液の抽出法としては、比較的新しい技術ですが、植物成分の抽出や食品業界では一般的な技術です(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)

CO2は、米国食品医薬品局(FDA)から、食品添加物の安全基準であるGRAS認証を取得しています。

CO2抽出は、大麻濃縮液の抽出法としては、比較的新しい技術ですが、植物成分の抽出や食品業界では一般的な技術です。

CO2抽出はどのように行われる?

二酸化炭素抽出法は、加圧されて超臨界流体になったCO2を溶媒として使用することで、大麻から有益な化合物を抽出する方法です。

これには、専用の高価な装置が必要ですが、実際に行われる加工処理は比較的単純なものです。

二酸化炭素抽出法には、2つの基本ステップがあります。

第1段階では、粉砕した大麻固形物を抽出チャンバーに入れます。

すると、加圧されて超臨界流体になった二酸化炭素が送り込まれて大麻の原料を溶かし、カンナビノイドなどの化合物を分離します。

第2段階では、圧力解放バルブによって別の容器に放出された原料に、熱と圧力を加えて、大麻化合物と二酸化炭素を分離します。

その後、温度と圧力を変化させることで、二酸化炭素は流体から気体の状態に戻り、再びCO2タンクに流れ込みます。

こうして、最終的に琥珀色の大麻オイルが残ります。

亜臨界CO2抽出と超臨界CO2抽出の違いは?

CO2抽出法には「超臨界CO2抽出」と「亜臨界CO2抽出」の2種類があります。

両者は似ていますが「温度」と「圧力」という、2つの大きな違いがあります。

超臨界CO2抽出(SFE)

CO2は、室温より少し高い温度で超臨界状態に達し、流体に変化することができます。

これにより、熱で劣化する可能性のある、揮発性の化合物を安全に抽出することができます。

超臨界流体抽出(SFE)では、この、気体と液体の両方の性質を持つ超臨界状態のCO2を利用します。

この状態のCO2は、気体のように大麻原料の中を通過し、液体のようにトリコーム(さまざまな化合物を豊富に含む、植物表面の毛状突起)を溶かします。

その後、容器内の圧力と温度を下げることで、化合物を多く含む溶媒から、カンナビノイドやテルペンを分離します。

超臨界流体抽出は、ワックスや脂質などの大きな分子も捕らえてしまうため、抽出物の粘度が高くなってしまいます。

したがって、これらの不純物の除去や、脱ろう処理を行う必要があります。

しかし、超臨界二酸化炭素(CO2)は比較的安価で入手しやすいことから、成分抽出用の溶媒として好まれています。

亜臨界CO2抽出

亜臨界CO2抽出では、超臨界流体抽出と同様の加工処理が行われますが、温度と圧力は低く抑えられます。

圧力によって流体化したCO2は使いますが、熱を使わないため、テルペンやその他の化合物を、より多く得ることができます。

亜臨界抽出は、超臨界抽出よりも時間がかかる上、抽出できる量も少ないです。

しかし、エッセンシャルオイル・テルペン・カンナビノイドなど、さまざまな大麻成分を含む高品質な商品をつくることができます。

亜臨界抽出では、油脂、ワックス、脂質を含まない抽出物が得られるため、脱ろう処理は必要ありません。

超臨界CO2抽出は、迅速かつ豊富に抽出できるため、大麻の最も一般的な抽出技術です。

一方で、大麻草への負担の少ない、亜臨界抽出の人気も高まっています。

超臨界抽出の場合、加工条件が厳しすぎて一部のテルペン類が失われてしまうことがあるからです。

大麻全草の効果を重視する商品には、亜臨界CO2抽出が適しています。

CO2法についてのよくある質問

ここでは、CO2法や商品に関する、よくある質問にお答えします。

CO2法は安全ですか?

適切な設備を備えたラボで、訓練を受けた専門家が行えば、CO2法は最も安全な抽出技術の一つです。

環境や健康上の観点からも、CO2は、ブタンやプロパンなどの石油系炭化水素より毒性が低いのが特徴です。


▲適切な設備を備えたラボで、訓練を受けた専門家が行えば、CO2法は最も安全な抽出技術の一つです(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)

CO2法には、安全性を高めるもう一つの特徴があります。

抽出液中に残ったCO2は蒸発してしまうため、商品中に溶剤が残らない点です。

2019年、添加物のビタミンEアセテートが原因とされる、ベイプ(電子タバコ)関連障害の報告以降、リテラシーの高い消費者は、残留溶剤や希釈剤を含む商品を避けるようになっています。

CO2法は他の抽出方法よりも優れていますか?

CO2法は、比較的安全で毒性がないため、他の抽出方法よりも好ましい選択肢となります。

また、技術の汎用性も、他の方法に比べて優れています。

温度や圧力を変えることで、カンナビノイド・テルペン、その他の化合物を抽出対象とすることができ、さまざまな製剤に合わせて、抽出工程をカスタマイズすることができます。

そして何よりも、CO2法自体の特徴により、優れた商品をつくることができます。

とはいえ、これらの利点の代償がともないます。

CO2抽出装置は高価であり、小規模メーカーにとっては手が届かないかもしれません。

CO2法はブタン抽出より優れていますか?

CO2抽出は不燃性で、クリーンで、化学物質の残留がないことから、ブタンに比べて安全性が高いです。

ブタンは短時間で抽出できますが、揮発性の溶剤であるため、抽出工程をほとんど調整できません。

これに対し、CO2法は抽出方法を調整できるため、工程を区切ることで、大麻から多様な化合物を分離することができます。

CO2法はコールドプレスよりも優れていますか?

コールドプレスは、ヘンプ(産業用大麻)やCBDの抽出によく用いられる技術です。

低温で抽出するので、大麻草に含まれるさまざまな有益な化合物が、熱で劣化することはありません。

また、1バッチあたりのオイル総量がCO2法より少なくなります。

CO2法ですと、原料を効率的に分解するために、比較的高温下で処理するため、その過程で脂質やオイル分が多く溶出されるのです。

低温で抽出された大麻には、それなりの利点があると考えられます。

ある研究によると、非加熱の大麻は、副作用の発生率が低く、また、忍容性が高い(副作用が起こったとしても、その症状が軽い)可能性があるとのことです。

また、CO2法では失われてしまいがちなモノテルペン類が、コールドプレス・オイルには多く含まれている可能性があります。

結論

CO2法は、大麻業界における代表的な抽出技術になりつつあります。

CO2抽出で製造された大麻商品は、安全で、毒性がなく、品質も高いため、小売市場で高い人気を誇ります。

<参考文献>
ウィードマップス(weedmaps)』カールトン・ボーンによるレビュー(2020年8月19日)
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