(当記事は、アメリカでの法律、研究に基づいて作成されています)
「インディカ」は、大麻(麻)の品種や、商品の体感(鎮静、リラックスなどの身体への効果)を表す言葉です。
植物学的にインディカ種は背が低く、幅広い葉を付け、成長サイクルが短いのが特徴です。
インディカは、開花期間が短いため冷涼な気候での栽培に適しています。
▲写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス
インディカの詳細
大麻(麻)業界では、大麻のインディカとサティバは、人体への体感が大きいとされています。
古典的定義によると、インディカは「ボディハイ」をもたらす傾向がありますが、少々、単純化され過ぎているきらいがあります。
多くの利用者にとっては「ぼんやりする、気だるくなる、深いリラックス」などのイメージがあります。
大麻業界では、このイメージを利用して大麻商品を販売しています。
しかし、インディカからイメージする効果は、現在の大麻草の物理的構造とは何の関係もありません。
インディカとサティバという言葉は、栽培者にとっては役立ちます。
栽培において、生育中の植物の特徴を表す言葉として使われます。
カンナビス・インディカの分類学上の歴史
1753年、スウェーデンの植物学者カール・リンネがC.サティバをアサ属の唯一の種であると考え、分類しました。
その後1785年、フランスの生物学者ジャン=バティスト・ラマルクは、「カンナビス・インディカ(C.インディカ)」を「カンナビス・サティバ(C.サティバ)」とは別の種であると識別しました。
ラマルクは、C.サティバとの形態的な違いを中心に分類し、より強い酩酊作用があることも指摘しました。
1974年にアメリカの生物学者リチャード・エバンス・シュルテスが、アフガニスタンの大麻にC.インディカと名づけました。
これを機に、現在のインディカの定義に変わりました。
茎が短く、幅広い葉を付けるとして、ラマルクの識別したインドの大麻とは異なる特徴でした。
シュルテスはC.インディカを地理的起源に結びつけ、現在のインディカ/サティバ分類法の発展に大きな影響を与えました。
その後、フロリダ州立大学の生物学者ローラン C. アンダーソンが、アフガニスタン産をC.インディカ、インド産をC.サティバと分類しました。
現在では、アフガニスタン原産の短くて幅広の茂った大麻をインディカと呼んでいます。
ほとんどの専門家は大麻の種を1つしか認識していません。
インディカがC.サティバの亜種かどうか、いまだに大きな議論があります。
一方、市場では、インディカとサティバの2種類が認識されています。
インディカとサティバの違いは?
大麻の亜種の定義では、インディカとサティバには基本的な違いがあるとされています。
この区別は栽培する上でとても役立ちます。
生育中の特徴や構造による分類は、効率的な栽培方法です。
▲写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス
インディカとサティバの違いは、生育中に観察できます。
インディカは、茎が太くて背が低い傾向があります。
幅広で深い緑色の葉をつけます。
サティバに比べて成熟が早く、35日から65日ほどで開花します。
寒冷地でも十分に成長します。
バッズ(花)は、密度が高く小ぶりになる傾向があります。
インディカでは、ヒンドゥークッシュ、ノーザンライト、ブルーベリーなどが人気です。
サティバは、開花まで時間がかかるので、栽培期間が長くなります。
温暖な気候での栽培に適しています。
背が高く、薄緑色の細長い葉を付ける傾向があります。
人気のあるサティバは、ジャック・ヘラー、ダーバンポイズン、グリーンクラック、サワーディーゼルなどがあります。
かつての分類法では、インディカとサティバが生成する化学物質の違いも明らかにしようとしていました。
自然界では、インディカは、より多くのTHC(テトラヒドロカンナビノール)を生成する傾向があります。
過去50年間の大麻栽培では交配が主流でした。
純粋なインディカ種やサティバ種はほとんどありません。
インディカ/サティバの分類は、含有成分がどちらかの特徴に傾いていることを表します。
インディカにはどんな効果があるの?
インディカ/サティバ分類法は、栽培者には役立ちます。
消費者には、効果の予測ができないので意味がありません。
人間の介入によって、大麻の化学構造は劇的に変化しました。
リンネやラマルクの時代には、C.インディカとC.サティバの効果は、物理的特徴に近いものだったでしょう。
今日では、植物の外形から効果を予測することは難しくなりました。
▲写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス
大麻業界では、インディカは鎮静作用があり「ボディハイ」をもたらす特徴があります。
サティバは高揚感をもたらし「ヘッドハイ」になると考えられています。
カンナビノイド研究の第一人者である精神薬理学研究者のイーサン・ルッソ博士は『Cannabis and Cannabinoid Research』誌に掲載されたインタビューで「一般の文献でよく使われているサティバとインディカの区別は、まったく無意味です」と説明しています。
大麻の効果は、遺伝子の系統ではなく、それぞれの品種の化学的プロファイルに基づいています
インディカの在来種を新しい環境で栽培した際、高揚感をもたらす化学的プロファイルが生成されることもあります。
さらに、大麻の効果は遺伝的な系統よりも、個々の「エンド・カンナビノイド・システム(ECS)」の構成に大きく関係しています。
エンド・カンナビノイド・システムとカンナビノイドのプロファイルとの相互作用により、体感は十人十色です。
インディカ種から鎮静とリラックスを感じるという人もいるでしょう。
サティバのような高揚感を感じると報告する人もいるかもしれません。
地元の大麻ディスペンサリーの商品には「サティバ、インディカ、ハイブリッド」いずれかのラベルが貼られているでしょう。
大麻の用語に「ハイブリッド」が加わったのは、マーケティングが現状に追いついてきた証です。
今あるすべての栽培品種は、技術的にはハイブリッドなのです
ハイブリッドとルデラリス―インディカとサティバだけじゃない
インディカとサティバという区別を、さらに複雑にしている要因があります。
長い歴史の中で、多くの品種が交配され、遺伝子が操作されてきました。
そして、「カンナビス・ルデラリス(C.ルデラリス)」という別の種類の大麻の存在です。
大麻栽培者が品種改良を重ねたことにより、純粋なインディカやサティバ品種は希少になりました。
代わりに「ハイブリッド」と呼ばれる新種が急増しています。
その中にはサティバ優勢品種とインディカ優勢品種があります。
栽培者や育種者は、様々な効能に特化したハイブリッド品種を生み出します。
特定の濃度のTHC・CBD(カンナビジオール)その他のカンナビノイド生成する品種をつくり出せます。
欲しい薬理作用や娯楽効果をもたらすために、CBDとTHCの比率に特化したものもあります。
インディカとサティバの違いを知るのはあまり意味がありません。
どんな体感を求めているのか、そして自分に合ったハイブリッド品種を見つけることが大切です。
C.ルデラリスは、伝統的なインディカとサティバの区別をさらに複雑にしています。
C. サティバの亜種ではなく、独自の植物種であることは、学術研究機関や業界では認められています。
ルデラリスのTHCの含有量はごくわずかです。
向精神作用がないため、娯楽目的では使用されません。
THCの含有量が低いにもかかわらず、CBD含有量が高いルデラリスもあります。
このため、治療用に適している可能性があります。
THCを含まないCBDを探している健康志向の人にも良いでしょう。
結論:インディカとサティバの比較
現在流通している大麻品種の豊富さに、研究は追いついていません。
一般の消費者が大麻の複雑性について知識を深めています。
それに伴い、テルペンやカンナビノイドのプロファイルは、商品のマーケティングにおいて、より重要になりつつあります。
イーサン・ルッソ博士の説明によると、インディカの鎮静作用は、カンナビノイドの含有量や植物の構造よりも、テルペン(ミルセン)の濃度に関係があるとのことです。
サティバ/インディカの分類は、栽培者にとって重要です。
より分かりやすい分類法が開発されるまでは、「インディカ」からイメージする効果が必ずしも得られないことを覚えておきましょう。
「サティバ」も、認識されている体感が得られる訳ではありません。
もはや、インディカとサティバの区別は機能していません。
ほとんどの大麻は「ハイブリッド」と呼ぶのがふさわしいでしょう。
『ウィードマップス(weedmaps)』編集部によるレビュー(2021年7月13日)
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