CBD × フェムケア──女性の「いま」に寄り添う北欧発ブランド
日本では、乾燥やPMS、不快感や違和感を「仕方ない」と受け入れている傾向にあリます。
目まぐるしく働く現代女性にとって、見過ごされがちな身体のサインに寄り添う製品はどれほどあるでしょうか。
フェムケアは、北欧ではごく自然なセルフケアとして文化に根ざし、薬局でも見かけるほど当たり前の存在です。
そんな北欧から届いたCBDブランド『ヘンプリーバランス(HemplyBalance)』。
スウェーデンの産婦人科医が関わる処方設計。
オランダで製造され、EU全域で販売される信頼の品質。
そして、どこまでも丁寧に、女性の「今」に寄り添うコンセプト。
導入店舗は130を超え、美容サロンを中心に広がりを見せる中で、なぜこのブランドが日本で必要とされるのか?
同ブランドの日本正規輸入販売を手がける『株式会社ライフアクティベーション』代表・糸川氏に聞いてみました。
ブランドの成り立ちと創業者ストーリー
ヨガマットから始まった、「ウェルビーイング」に対する問い
実は糸川氏は、もともとCBD(カンナビジオール)領域の出身ではありません。
始まりは、アートと身体性の交差点にあったと言います。
「現代アーティストの作品をプリントした“飾れるヨガマット”をつくりたかったんです」
糸川氏が最初に手がけたのは、アート性と実用性を兼ね備えたプロダクトの開発でした。
生きることを再起動させるようなプロダクトを届けたいという理念のもと、ヘルスケア・ライフスタイル領域への取り組みを広げる中で出会ったのが、CBDという成分だったのです。
当初は他社製品を扱う卸から始まり、その後、信頼できるCBDブランドを探す中で、スウェーデン発のブランド『ヘンプリーバランス』に出会います。
相手方から「日本での展開を一緒にやれないか?」というオファーをもらい、2022年11月、日本での正規販売が始まりました。
『ヘンプリーバランス』の特徴とフェムケア製品群
タイマ感ゼロ、「伝わる」CBDの新しいかたち
『ヘンプリーバランス』の第一印象を語る上で外せないのは、既存のCBDブランドと一線を画すデザインでしょう。
葉っぱのロゴ、グリーン一辺倒のパッケージ、無骨な名称──。
CBDブランドにはありがちなこうしたステレオタイプを徹底して排除し、フェムケアという文脈でのデザイン性と清潔感、そして官能性を重視しているのが、『ヘンプリーバランス』の大きな特徴です。
製品名にも遊び心:「OOOMMM…」と響く快の記憶
たとえば、フェムケアシリーズの一部製品には、「OOOMMMM…」のような音声表現が用いられています。
女性が心地よさを感じるときに自然に漏れる声。
身体と感情が一致する瞬間の音を、あえて製品名に取り入られています。
その根底にあるのは、「ケアの行為そのものを楽しめるものに」という、ポジティブなフェムケア観です。
産婦人科医が関与した製品設計
製品の開発には、産婦人科医が監修・参画。
CBD配合フェムケア製品には、ソープ・オイル・ボディバームなどがそろい、いずれも女性の粘膜や脂肪組織に配慮した、吸収性と安全性を兼ね備えた処方設計がなされています。
また、CBDティンクチャーも複数展開しており、日本では現在、16%と31%の濃度が主力。
「ティンクチャーは“内から整える”ことの大切さを伝えるためにラインナップしています。フェムケアは外側だけでなく、内側のコンディションとも深く関係しているんです」と糸川氏。
『ヘンプリーバランス』の製品構成は、身体の内側からも外側からも「整える」という思想に貫かれています。
サロン現場で信頼を築いた理由と販売戦略
「置けば売れる」ではない。だから選ばれる
『ヘンプリーバランス』の主要販路は、美容サロン、ヨモギ蒸しサロン、ネイルサロン、脱毛サロンなどの美容専門店です。
その導入実績は、約2年で130店舗以上(2025年時点)。
ドラッグストアや大手コスメショップへの展開ではなく、1対1の対話がある場所で、必要な人に届くかたちを選びました。
商品理解を深めた上での接客に耐えうる品質
サロンでは、30分〜1時間かけて来店客と向き合い、体質や悩みを聞いたうえでケアを提案します。
その会話の中で、「実は生理痛が重くて」「デリケートゾーンの乾燥が気になって」といった話題が自然に出てきます。
そこにフェムケアという選択肢が加わる文脈があるからこそ、説得力を持って商品を紹介できるです。
「製品の世界観や効果を、短いPOPだけで伝えるのは難しいんです。だからサロンでの導入を重視しました」と糸川氏は言います。
医療・メディカル領域からも評価
また、導入先には婦人科クリニックや美容医療クリニックなど医療機関も含まれます。
特にデリケートゾーンの粘膜ケアや、更年期ケアの提案の一環として、医療従事者からの紹介によって広がるケースもあります。
さらに、フェムケアの必要性自体を「教育」として伝えるセミナー活動も行っており、過去には企業向け・サロン向けの勉強会も実施済。
『ヘンプリーバランス』は、単なる「売るブランド」ではなく、社会的背景を踏まえて伝えるブランドであることも、支持を広げている理由の一つです。
「フェムケア後進国」日本で挑む、文化の定着と展望

知られていないだけで、必要としている人は多い
日本でも「フェムケア」という言葉自体は広まりつつありますが、その理解度は決して高くありません。
加えて、「デリケートゾーンのケアは恥ずかしい」「話題にしてはいけない」といった文化的バイアスが根強く残っています。
糸川氏はこう指摘します。
「顔や髪をケアするのと同じように、粘膜や内側のケアも当たり前になってほしい。でも、現状はニーズがあるのに情報がないという知識の断絶が起きているんです。
ヨーロッパでは「口腔より吸収率が高い」という常識
『ヘンプリーバランス』のフェムケア製品群は、婦人科医が関与して開発されており、「吸収率」「粘膜からの作用」など、医科学的な視点で構築されています。
たとえばティンクチャーも、外用だけでなく体内からの調整が必要という考えに基づいてラインナップされています。
これは「肌荒れやPMSに悩むなら、腸内環境やホルモンバランスも含めて整える」というヨーロッパの統合ケア文化に基づいた発想です。
目指すのは「1,000店舗導入と、文化の定着」
現時点では約130店舗が導入済ですが、今後の目標は全国1,000店舗への展開。
これは、日本の美容サロン約2万店舗のうち5%に相当します。
また、ただ製品を置くだけでなく、スタッフへの説明研修や、来店者との会話の中で自然に伝えられる情報設計にも注力する予定です。
糸川氏は言います。
「最終的には、“CBD × フェムケア”というライフケア文化が、特別ではなく日常になる社会をつくりたい。 そういう未来に向けて、サロンやクリニックの方々と一緒に取り組んでいきたいと考えています。」
まとめ
『ヘンプリーバランス』は、単なるCBDブランドではありません。
製品のデザイン性や成分のクオリティはもちろんのこと、その本質は「日本社会は、本当に女性の身体と向き合えているか?」そして「CBDはリラックスのためだけでなく、生きやすさのためにどう機能しうるか?」という問いにあります。
ブランド名にも込められた「バランス」という概念。
それは身体と心のバランス、内と外のバランス、個と社会のバランスであり、何よりも「まだ言語化されていない不調」に寄り添うための姿勢そのものです。
「CBDを売っている」というよりも、「声にならない悩み」に触れる方法のひとつとして、CBDという成分を届ける考え方。
これが、『ヘンプリーバランス』の根幹にあります。