大麻(麻)の検挙率における、人種間格差

(当記事は、アメリカでの法律、研究に基づいて作成されています)

アフリカ系アメリカ人が大麻(麻)所持法違反で逮捕される確率は白人の約4倍です。

しかし、大麻の消費率は両民族ともほぼ同じです。

2020年のニューヨーク市の5つの地区での大麻関連の逮捕を2021年に分析しました。

すると、有色人種が逮捕者の94%を占めたと報告されました。

<参考文献>
▶︎ 2020年のニューヨーク市警察によるマリファナ検挙の94%を有色人種が占めていたと『The Legal Aid Society』が発表(2021年 AMNY.com:英文)

2021年にウィスコンシン州ミルウォーキー郡の地方検事局が行った分析によると、ウィスコンシン州の黒人は白人に比べて大麻所持による有罪判決を受ける可能性が4.3倍高いことが報告されています。

ウィスコンシン州で最も格差が大きいのは、黒人が34.9倍も逮捕されやすいオゾーキー郡と、黒人が29.9倍も逮捕されやすいマニトウォック郡です。

<参考文献>
▶︎ レポート:ウィスコンシン州の黒人がマリファナ所持で有罪になる確率は4.3倍 (2021年 Wisconsin Public Radio:英文)

『アメリカ自由人権協会(American Civil Liberties Union)』が2020年に行った分析では「使用率が同程度であるにもかかわらず、黒人は白人に比べて大麻所持で逮捕される確率が3.64倍も高い」と結論づけています。

同分析では「すべての州で、黒人は大麻所持で逮捕される確率が高く、中には6倍・8倍・10倍近い確率で逮捕される州もあった」と報告されています。

31の州では、2010年よりも2018年の方が人種間に大きな格差がありました。

<参考文献>
▶︎ 2つの国の物語:マリファナ改革時代の人種差別的検挙について(2021年 American Civil Liberties Union:英文)

この結果は『アメリカ自由人権協会』が2013年に発表した分析結果と同様「黒人と白人が同じような割合で大麻を使用しているにもかかわらず、黒人は白人よりも平均3.73倍も大麻所持で逮捕されやすい」と結論づけています。

このような大麻所持の逮捕における人種間の格差は、全米のあらゆる地域・郡の大小・都市部と農村部・富裕層と貧困層・黒人人口に関わらずに存在します。

実際、人口3万人以上の郡の96%以上で、住民の2%以上が黒人である場合、黒人は白人よりも高い確率で大麻所持により逮捕されています。

<参考文献>
▶︎ レポート:白と黒のマリファナ戦争(2013年 American Civil Liberties Union:英文)

ワシントンポスト紙による2020年の分析によると、2015年〜2019年の間に、コロンビア特別区では3,631件の大麻の逮捕がありました。

逮捕された人の89%は、同市の人口の45%しか占めていないにもかかわらず、黒人でした。

<参考文献>
▶︎ マリファナが合法化されたワシントンD.C.で、ひとつだけ変わらないこと:大麻容疑で逮捕されたほとんどが黒人(Washington Post:英文)

カナダで全国的に合法化される前の、2015年に行われた少量の大麻所持の検挙状況を2020年に分析したところ、同様に黒人が検挙数に多く含まれていました。

「私たちは、カナダの5都市(バンクーバー・カルガリー・レジーナ・オタワ・ハリファックス)の警察から入手した大麻検挙データの分析を行い、カナダにおける未成年者の大麻所持による検挙率に人種差があるかどうかを調べました。その結果、1つの例外を除いて、調査した5つの都市では、黒人と先住民が大麻所持で逮捕される割合が高いことがわかりました」

<参考文献>
▶︎ 人種、大麻、そしてカナダの麻薬戦争。5都市の人種別大麻逮捕データの検討 (2020年 International Journal of Drug Policy:英文)

2019年7月9日〜2020年7月9日までの期間に、ニューヨーク州オールバニーで行われた大麻関連の取り締まりと逮捕を2020年に分析した結果「逮捕または違反切符を切られた人の97%は黒人でした。黒人と白人がほぼ同じ割合で大麻を使用していることを示す全国的な証拠があるにもかかわらず、期間中に大麻犯罪で起訴された白人はわずか4人でした」

<参考文献>
▶︎ オールバニーにおいて、マリファナの逮捕者のほとんどが黒人住民に集中(Albany Times Union:英文)

2012年〜2016年までのアラバマ州における大麻所持の逮捕データを2018年に分析したところ「2016年に大麻所持(軽犯罪、重罪ともに)で逮捕される可能性は、黒人は白人の約4倍、重罪所持で逮捕される可能性は5倍であった」と報告されています。

「白人と黒人がほぼ同じ割合で大麻を使用しているという確固たる証拠があるにもかかわらず、このような人種間の格差が存在しています」

<参考文献>
▶︎ アラバマ州のマリファナ戦争(2018年 Southern Poverty Law Center:英文)

ルイジアナ州の2016年1年間における大麻所持の逮捕データを2018年に分析したところ、下記のような報告がありました。

「犯罪依頼率の違いだけでは説明しにくい、州全体の逮捕率の大きな人種格差があります。たとえば、2016年のルイジアナ州では、黒人と白人が同じような割合で大麻を使用しているという証拠があるにもかかわらず、黒人は白人の2.9倍もの確率で大麻所持で逮捕されていました。地域によっては、さらに大きな格差があります。2016年に大麻所持でバトンルージュ警察(BRPD)に逮捕される確率は、黒人は白人の6倍でした」

<参考文献>
▶︎ ルイジアナ州における人種プロファイリング:違憲かつ逆効果(2018年 Southern Poverty Law Center:英文)

バッファロー市の2012年〜2016年までの少量の大麻所持による検挙データを2017年に分析したところ、検挙された人の86%が有色人種であったが、アフリカ系アメリカ人とヒスパニック系は同市の人口の50%以下であったと報告されています。

エリー郡では、アフリカ系アメリカ人が少量の大麻所持検挙者の71%を占めていましたが、人口に占める割合は13.5%に過ぎませんでした。

<参考文献>
▶︎ 人種間の平等と公衆衛生の改善:西ニューヨークにおける優れた大麻法 (2017年 Partnership for the Public Good:英文)

ペンシルバニア州の逮捕データを2017年に分析したところ、黒人の成人が大麻の所持で逮捕される確率は白人の8.2倍で、2010年の6.5%から上昇していました。

<参考文献>
▶︎ ペンシルバニア州のアメリカ自由人権協会による、州内のほとんどの地域でマリファナの検挙件数が増加し、差別的な検挙が行われているという「大麻取締まり」についての報告(2017年 Law Professor Blogs:英文)

2017年にニューヨーク市の逮捕データを分析したところ、2014年〜2016年の間に、大麻所持違反で逮捕された人のうち、黒人とラテン系が86%を占めていました。

<参考文献>
▶︎ ブラシオ市長時代のニューヨークにおける、人種差別的な60,000件の大麻関連逮捕(2017年 DrugPolicyAlliance:英文)

ニュージャージー州の逮捕データを2017年に分析したところ、アフリカ系アメリカ人は白人に比べ、大麻所持法違反で逮捕される確率が3倍高いことがわかりました。

<参考文献>
▶︎ 不平等と不公平:大麻使用者に対するニュージャージー州の戦争(2021年 American Civil Liberties Union New Jersey:英文)

2017年にバージニア州の逮捕データを分析したところ、アフリカ系アメリカ人は白人に比べて大麻所持で逮捕される確率が3倍高く、この格差は拡大していました。

<参考文献>
▶︎ バージニア州における、大麻逮捕の人種的格差を示す統計(2017年 Capital News Service:英文)

別の分析では、バージニア州で大麻所持で逮捕された人の半数近くを黒人が占めていますが、州の人口に占める割合は20%に過ぎません。

<参考文献>
▶︎ バージニア州でのマリファナ逮捕者数における、人種的格差(2003年〜2013年、2015年)

メリーランド州の逮捕データを分析したところ、アフリカ系アメリカ人は州の人口の30%しか占めていないにもかかわらず、大麻所持で逮捕された人の58%を占めていました。

<参考文献>
▶︎ メリーランドにおける白人と黒人の大麻戦争(2013年 The American Civil Liberties Union:英文)

2016年にカリフォルニア州の逮捕件数を分析したところ、警察は白人の3.5倍の割合で黒人を大麻犯罪で逮捕していると結論づけています。

<参考文献>
▶︎ 未だ合法ではない:カリフォルニアにおける、この10年での50万人近くの大麻逮捕(206年 Drug Policy Alliance,:英文)

先に行われた全米規模の評価では、カリフォルニア州の主要25都市の警察が、黒人を大麻所持違反で逮捕した割合は、白人の4倍〜12倍であったと報告されています。

<参考文献>
▶︎ カリフォルニアにおける、黒人の大麻逮捕:2006年から2008年にかけて行われた、25都市での大麻所持での逮捕 (2010年 California NAACP and the Drug Policy Alliance,:英文)

「警察改革組織化プロジェクト」が2016年に行ったニューヨーク市の大麻逮捕データ分析では、最低所持量での大麻所持違反で逮捕された人の約85%が黒人またはラテン系でした。

<参考文献>
▶︎ 人種と大麻逮捕の関係(2016年 New York Times:英文)

この割合はここ数年一貫しています。

<参考文献>
▶︎ ブラシオ市長時代のニューヨークにおける、人種や階級と大麻逮捕の関係性 (2014年 Drug Policy Alliance:英文)

コロラド州の警察は、合法化される前、黒人が大麻所持で逮捕される割合は白人の3.1倍でした。

<参考文献>
▶︎ コロラド州における大麻所持での逮捕数:1986年〜2010年までの統計(2012年 Drug Policy Alliance:英文)

合法化される前のワシントン州警察は、白人の2.9倍の割合で黒人を大麻所持で逮捕していました。

<参考文献>
▶︎ ワシントン州における大麻所持での逮捕に関する費用、結果、人種的格差:1986年〜2010年までの統計 (2012年 Drug Policy Alliance:英文)

非犯罪化が施行される前の、シカゴでの大麻所持の検挙データを分析したところ、大麻所持違反の黒人と白人の検挙率は15対1でした。

<参考文献>
▶︎ 大麻逮捕における人種格差 (2011年 Chicago Reader:英文)

ワシントンD.C.の有権者が発起人となって制定された、未成年者の大麻所持犯罪を非合法化する法律。

これが施行される前は、アフリカ系アメリカ人が大麻関連の犯罪で逮捕される確率は白人の8倍でした。

<参考文献>
▶︎ 犯罪統計によると、ワシントンD.C.は一人当たりのマリファナ逮捕者数で全米トップ(2021年 Washington City Paper:英文)
<参考文献>
ノーマル(NORML)』編集部の投稿
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