ヘンプ(産業用大麻)のさまざまな用途

(当記事は、アメリカでの法律、研究に基づいて作成されています)

大麻(麻)というと、ハイになるイメージがあるかもしれませんが、大麻草にはさまざまな用途があります。

特に、ヘンプ(産業用大麻)は、多くの活用法があります。

ヘンプは、最も汎用性の高い素材の一つであり、紙・製造・パーソナルケア商品・繊維・食品・飲料・医療など、あらゆる分野で応用されています。

CBDの原料、大麻(麻)

▲ ヘンプ(産業用大麻)は、最も汎用性の高い素材の一つです(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)

ヘンプ(産業用大麻)とは?

2018年の農業法案によると、アメリカ政府は、THC(テトラヒドロカンナビノール)が0.3%以下の大麻をヘンプ(産業用大麻)と定義しています。

この農業法案では、ヘンプを連邦政府の規制対象物質リストから除外し、農産物として再分類しました。

またこの法案では、ヘンプの生産と、ヘンプ由来の商品の生産・輸送・販売を合法化しました。

歴史上、ヘンプ(産業用大麻)は、どんな風に扱われてきたの?

アメリカでヘンプが合法化されたのは、ごく最近のことです。

合法化される前の数十年間は、この多目的で有用な植物の栽培や生産は違法でした。

しかし、これ以外の時代では、アメリカの歴史上、ヘンプの生産は、合法であったばかりではなく、奨励されていたほどです。

1600年代初頭から1800年代後半まで、アメリカの農業ではヘンプ生産が盛んでした。

ロープや衣類・船の帆など、さまざまな素材の製造に使用されていました。

実際、ヘンプはとても貴重で必要なものと考えられており、メリーランド州・バージニア州・ペンシルバニア州など、複数の州で法定通貨として使用されていました。

1619年には、バージニア州議会が、すべての農家にヘンプ栽培を義務付ける法案を可決しました。

しかし南北戦争後、綿花やその他の輸入繊維が台頭して以来、ヘンプは米国の代表的な農産物としての地位を失いました。

CBDの原料、大麻(麻)

▲ 1,600年代初頭から1,800年代後半まで、アメリカの農業ではヘンプ生産が盛んでした。ロープや衣類・船の帆など、さまざまな素材の製造に使用されていました(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)

アメリカ以外における大麻の歴史は、1600年代よりはるか昔にまでさかのぼります。

紀元前8000年頃には、古代メソポタミアで織物用の繊維として麻が使われており、人類がはじめて繊維用に栽培した植物の代表とされています。

中国では、6000年以上前から大麻を栽培し続けています。

紀元前2世紀頃には、包装に用いたと思われる、世界初の紙がつくられています。

また、中世ヨーロッパでは、ヘンプは塩水に浸かっても耐久性があることから、衣類や船のロープなどに使われ、重要な商品となっていました。

1535年には、ヘンリー8世がイギリスのすべての土地所有者に対して「4分の1エーカー以上にヘンプを蒔かなければ罰金を科す」と定めました。

それほど、ヘンプはとても価値の高いものでした。

ヘンプは耐久性と持続性に優れていることから、建築材料としても広く使われました。

建築における最古の使用例の一つに、現在のフランスに6世紀に建てられた、麻漆喰(しっくい)で作った橋があります。

このように、ヘンプには、価値ある商品として何千年も前から利用されてきた背景があります。

しかし、現在ではどのように利用されているのでしょうか?

現代社会におけるヘンプ(産業用大麻)の利用法

現在、米国をはじめとする30カ国以上で、ヘンプが農作物として栽培され、さまざまな産業分野で多岐にわたる用途に利用されています。

ヘンプは、古代文明で使われていたのと同じように、現代の社会でも多く使われています。

ヘンプは現在でも建築資材として用いられており、持続可能性の高さから人気を博しています。

ヘンプは、他の建材に比べて環境への影響が少なく、植物が成長する間や、建材として使われた後も二酸化炭素を吸収して減らす、カーボンネガティブな性質を持っています。

そのため、環境に配慮した現在の建築市場で注目されています。

2010年には、英国から輸入したヘンプ入り複合レンガを使用した最初のヘンプハウスが、ノースカロライナ州に建設されました。

その後、ヘンプを建材として用いた住宅が約50棟建てられています。

また、ヘンプ繊維は、現在でも、衣料品や織物・紙製品などに使用されています。

大麻(麻)製の帽子

▲ ヘンプ繊維は、現在でも、衣料品や織物・紙製品などに使用されています(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)

特にアメリカでは、ヘンプの最も注目すべき用途の一つとして、CBD(カンナビジオール)産業が盛んになっています。

CBD商品は、長年にわたりディスペンサリーで販売されてきましたが、合法化以来、ヘンプ由来のCBDが主流になりました。

CBDには酩酊作用がなく、ティンクチャー・パーソナルケア商品(ローションや入浴剤など)・焼き菓子から飲み物にいたるまで、あらゆるものに使用されています。

しかし、CBDにはいくつかの制約があります。

ヘンプおよびヘンプ由来CBDは、連邦レベルで合法ですが、ほとんどの州では製造・マーケティング・パッケージ・販売の方法について厳しい規制があります。

特に、食品・飲料・栄養補助食品の分野で、使用に関する規制が厳しくなっています。

連邦政府は、FDA(米国食品医薬品局)を通じて、これらの用途でのCBD使用を規制しています。

これらの規制は、CBD市場にいくつかの課題をもたらしていますが、市場の成長を妨げるほどではありません。

最近の予測では、2024年までにCBD産業は200億ドルの規模になると言われています。

このように、ヘンプ由来のCBDに対する今後の規制には、いくつかの疑問点が残りますが、CBD業界は盛況です。

日本の法律に基づいた記事はこちら▶︎ CBDオイルは、結局、違法なの?合法なの?

今後も活用され続けるヘンプ

現代社会において、ヘンプがどのように利用されているかを網羅することは、不可能に近いです。

米国科学者連盟によると「ヘンプ世界市場には25,000以上もの商品が存在し、これらは、農業・繊維・リサイクル・自動車・家具・食品・飲料・紙・建築資材・パーソナルケアと、9つの分野にわたる」とのことです。

ただひとつ確かなことは、ヘンプはこれからも活用され続けるということです。

<参考文献>
ウィードマップス(weedmaps)』アディ・レイ博士によるレビュー(2020年9月8日)
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