【丸ごと解説】ベイプとは?

(当記事は、アメリカでの法律、研究に基づいて作成されています)

ベイプとは、ヴェポライザー・電子タバコ・ダブリグ・Eネイル・ベイプペン(ウィードペンと呼ばれることも)などの機器を使って気化させた大麻(麻)の蒸気を吸ったり吐いたりすることです。

これらの機器は、発熱することで大麻の有効成分を素早く気化させ、燃焼させることなく、穏やかに摂取することができます。

また、濃縮物や抽出物を気化させることで、より強い医療用大麻を必要とする人が、効果的な大麻を安全に使用できます。

「ベイプだと、ジェットフューエル(大麻の品種)本来の味がよくわかります。」

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▲ 写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス

ベイプについての一般的な知識

ヴェポライザーは、意外にも長い歴史を持った器具です。

ベイプ、またはベイピングは、電子タバコやヴェポライザーから生じる蒸気を吸うことを指します。

煙を出さずにタバコや大麻を楽しむことができるため、ベイピングは消費者に人気です。

また、燃焼で失われてしまう風味を保ち、煙ではなく蒸気を生じます。

なぜ、大麻を燃やすのではなく、気化させるのでしょうか?

というのも、植物の喫煙には、燃焼過程が必要です。

植物が燃焼すると、呼吸器や皮膚を経由して発がん物質が体内に入ることが研究で明らかになっています。

大麻をある温度まで加熱すると、燃焼させることなく目的のカンナビノイドが気化します。

そのため、喫煙を避けたい人には、ヴェポライザーが好まれます。

現在、様々な種類のヴェポライザーが販売されていますが、ベイプペン(使い捨てを含む)、またはダイレクトドローヴェポライザーが一般的で入手もしやすいと言えるでしょう。

ベイプペンは筆記具のような形をしており、大麻のバッズ(花)や濃縮物を直接加熱します。

電気で加熱されたスクリーンや金属部分が大麻を正確な温度に加熱し、均一に気化させるように設計されています。

熱の分布が不均一だと、バッズや濃縮物が燃焼する可能性があり、その場合はベイプではなく喫煙になります。

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なぜ人々はベイプを好むのか?

大麻愛好家の多くは、ジョイントやパイプ、ボングなどに火をつけて吸う伝統的な方法に勝るものはないと主張します。

しかし、消費者の嗜好は変化しています。

では、なぜ消費者はベイプを好むのでしょうか?

ベイプだと、テルペンの香りとカンナビノイドの摂取量を最大化できるというエビデンスがあります。

また、喫煙の過程で発生する有害な化学物質にさらされるリスクも軽減されます。

Journal of Cannabis Therapies』誌は2004年、ボルケーノヴェポライザーの有効性を評価するため、大麻を気化させた場合と燃焼(喫煙)させた場合を比較する研究を行いました。

この研究では、燃焼の副産物である有害な化合物を抑制しながら、医学的に有効なカンナビノイドを供給するには、気化が効果的であることがわかりました。

カンナビノイドをより効果的に摂取できる

ヴェポライザーは、呼吸器系が弱っている医療大麻患者にとって安全です。

ヴェポライザーを使って薬を摂取する患者は、より高い薬効を得られる可能性が高いとされています。

また、気化した蒸気を吸い込むことで、肺への刺激も少なくなります。

2010年に『International Journal on Drug Policy』誌に掲載された臨床試験では、20人の大麻使用者を対象に試験が行われました。

その内、試験中に呼吸器系の病気を発症しなかった12人の参加者では、呼吸器系の症状が大幅に軽減されました。

味を損なわない

滑らかで風味豊かな味わいは、温度次第です。

あらかじめ温度が設定されているものもあれば、ダイヤル式のものもあり、好みの温度に加熱することで大麻成分を気化できます。

目立たないこと

ヴェポライザーを使用すると、ほのかに蒸気の痕跡が残りますが、すぐに消えてしまいます。

携帯型のヴェポライザーを使えば、嗜好用大麻を吸う光景や残り香で他人を不快にさせません。

外出先でも吸うことができます。

しかし、ブランドによっては、天然のテルペンを使用して大麻の香りを残しているものもあります。

また、ベイプペンはコンパクトなデザインで持ち運びが容易なため、利便性と安全性を兼ね備えています。

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ベイプにはリスクがあるの?

あります。

ベイプのカートリッジを製造する際に切削剤が使用されていますが、その長期的な影響については、まだ不明な点が多くあります。

最もよく使われるのは、PEG(ポリエチレングリコール)、PG(プロピレングリコール)、VG(ベジタブルグリセリン)、MCT(中鎖トリグリセリド)の4種類です。

これらの切削剤は、蒸気の質や口当たりを良くするために大麻オイルに添加されることもあります。

Journal of Alternative and Complementary Medicine』に掲載された2017年の研究「大麻オイルの希釈液を気化させたときに発生するカルボニル基」では、PEG 400・PG・VG・MCTをテストしました。

研究者らは、PEG 400を気化させて吸入した場合、PG・VG・MCTよりも有意に高いレベルのアセトアルデヒドとホルムアルデヒドが生成されることを発見しました。

またPGは、VGやMCTよりも有意にホルムアルデヒドを多く発生させていました。

現在、多くの公共スペースではベイピングが禁止されています。

アメリカの多くの州では、家主や雇用主が敷地内でのベイプや喫煙に制限を設けることができます。

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ベイプに使われる大麻の種類

オイル

大麻オイルは、シリンジ・Eリキッド・カートリッジのいずれかの形で販売されます。

シリンジを使用する場合は、ダブリグと呼ばれる製品を気化させたり、空のカートリッジ・タンクに充填して510スレッド規格のバッテリーで使用可能です。

充填済カートリッジだと、簡単で便利です。

カートリッジをバッテリーにねじ込めば、すぐに使用することができます。

▲ 写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス

バッズ(花)

バッズを使用するには、華氏365~375℉(摂氏185~190℃)の間で最適な温度を維持し、温度設定が可能なベイプ用機器が必要です。

気化後のバッズは、タバコのような褐色の焼け具合になるはずです。

現在、ポータブル・ドライハーブ・ヴェポライザーや据え置き型など、機器は様々なものが販売されています。

外出先で使える機器が欲しいのか、それとも自宅で使うだけの機器が欲しいのか、使用シチュエーションを考えると良いでしょう。

ドライハーブ・ペンのエアフローは、新鮮な空気をコイルの上から口に流し、コイルの過熱を防ぎます。

空気の流れを調整できるリングが付いているものもあります。

バッズ用のベイプペンは、グラインダーで粉砕されたバッズを粗くすりおろして気化させます。

温度設定の調整後、バッズをペンの中に詰め込みます。

すべてのベイプ機器が同じというわけではありませんので、使用前には必ず説明書を読み、最適な状態で使用するようにしてください。

コンセントレート(濃縮物)

あらかじめ充填されたオイルカートリッジの他に、濃縮大麻を気化させるもう一つの方法があります。

ワックスヴェポライザーとも呼ばれる、ダブペンを使うことです。

ダブペンとは、従来のベイプペンとどのように違うのでしょうか。

内部の仕組みは似ていますが、大麻をどのようにして摂取するか?が違います。

ベイプペンでは、あらかじめカートリッジが充填されています。

一方、ダブペンでは、消費者自身で濃縮した大麻をヴェポライザーのチャンバーに充填できます。

▲ 写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス

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ベイプの歴史

多くの文明では、何千年も前から薬草を気化させていました。

最初の記録は紀元前5世紀頃のエジプト。

古代エジプト人が、大きな石の上で油を加熱して実験したことに由来します。

その後、その習慣はアフガニスタンに伝わり、やがて世界各地に広まっていきました。

エジプト人とフッカー

製品としては、15,000年以上前に現在のアフガニスタンのサファヴィー朝のイルファン・シャイフによって発明された「フッカー」(シーサー)が最初です。

その後、インドにフッカーが伝えられました。

ペルシャ文化圏では「ḡalyān(ギャラーン)」と呼ばれ、現在ではタバコを使ったものが主流となっています。

ー現代のベイプ

ヴェポライザーの最初の形は、重いバッテリーを装着することで出力を上げましたが、その代償として重量が増加しました。

一方、現代のヴェポライザーは、近代化と効率化を両立させた、改良された見た目です。

1927年、ジョセフ・ロビンソンは電子タバコのアイデアを思いつき、米国特許商標庁(USPTO)に機械式ブタンガス着火式電子タバコの特許を申請しました。

その3年後に特許が発行されました。

1960年には、朝鮮戦争の退役軍人であるアメリカ人のハーバート・A・ギルバートが、最初の電子タバコを製造しました。

この最初のプロトタイプは、今日の電子タバコ会社の基礎として、今でも広く使われています。

アムステルダムのイーグル・ビル・アマートは、ヴェポライザーの父と呼ばれ、電子タバコを普及させたことで注目を集めました。

彼は自分の作品を “喫煙に代わる安全で効果的な方法 “と呼びました。

もちろん、自分の名前をとって『イーグル・ビル・シェイク & ベイプ』と命名しました。

1994年には、カナダのBCヴェポライザー社が、アマート氏のデザインにヒントを得て、電子チャージ式のヴェポライザーを開発。

2000年代には卓上型のヴェポライザーが開発されました。

最もよく知られているのは『ボルケーノ』というデバイスで、ユーザーはバッグに蒸気をため、必要に応じて吸い込むことができます。

他にも、マウスピースにチューブを接続した四角いモジュール式の卓上ヴェポライザーも人気があります。

このように、ヴェポライザーにはさまざまな形がありますが、ひとつだけ変わらないことがあります。

それは、燃焼を避けることに価値を見出し、大麻を気化させる人がいるという事実です。

需要がある限り、メーカーは人々のニーズに合わせて革新的な製品を発表し続けるでしょう。

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ベイプペンやヴェポライザーの価格帯について

ベイプペンやカートリッジの価格は、販売されている市場、カートリッジ内の大麻成分の量(通常は0.5mgまたは1g)、大麻オイルとヴェポライザーの品質、ヴェポライザーが使い捨てか再利用可能か?など、いくつかの要因によって異なります。

また、バッテリーの特性も考慮に入れて選ぶ必要があります。

機器の加熱時間と蒸気の発生量は、連続放電率(CDR)と電圧出力によって決定されます。

充電しなくても使えるベイプにしたいのであれば、バッテリーの容量が大きいものを選びましょう。

安価なバッテリー単体から、充電器やベイプカートリッジ、メンテナンス用のツールなどがセットになったスターターキットまで、選択肢はさまざまです。

また、ベイプ製品を購入する際には、第三者機関による分析証明書が添付されている信頼性の高いブランドから購入するようにしましょう。

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よくある質問

ベイプの効果を感じるまでにどのくらいの時間がかかるの?

吸引方法にもよりますが、ベイプペンもヴェポライザーも、通常は摂取後数分で効果が出始めます。

ただし、効果を完全に感じるにはもう少し時間がかかり、10~15分程度かかることもあります。

大麻の効果が現れるまでの時間を語る上で最も重要なことは、人の体はそれぞれ異なるため、大麻に対する反応もそれぞれ異なるということです。

大麻が気化しきったたことをどうやって知ることができるの?

気化した大麻の色が緑から濃い茶色になっていれば、ほとんどのカンナビノイドが活性化済みで、効果は大幅に減少している状態でしょう。

気化した葉が黒くなっていれば、気化時間が長すぎたり、温度が高すぎた可能性があります。

気化させた後の大麻は喫煙できるの?

はい、ヴェポライザーで吸った後の大麻も吸うことができますが、大麻の香りや味、そして高揚感は損なわれてしまいます。

気化させた葉が薄茶色から濃い茶色の場合、THC(テトラヒドロカンナビノール)や他のカンナビノイドが残っていて高揚感を得られる可能性があります。

しかし、劣化した香りや味、効果を考えると、そこまでする価値はないかもしれません。

<参考文献>
ウィードマップス(weedmaps)』編集部によるレビュー(2021年7月14日)
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