【神経科学者監修】CBDには、どんな効果がある?

(当記事は、アメリカでの法律、研究に基づいて作成されています)

CBD(カンナビジオール)には、リラックス効果や鎮静効果があると言われていますが、ハイになることはありません。

大麻(麻)は、カンナビノイド・テルペン・フラボノイドなど、何百種類もの化合物を自然に生成します。

各化合物は、独自の方法で体に作用し、さまざまな効果をもたらします。

CBDのもたらす感覚や、健康上のメリットを明らかにするためには、CBDが人体のエンド・カンナビノイド・システム(ECS)と、どのように相互作用するか知る必要があります。

ベッドでくつろぐ女性
▲CBDには、リラックス効果や鎮静効果があると言われています。CBDの効果はTHCとは大きく異なります。(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)

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カンナビノイドとエンド・カンナビノイド・システム

人体に備わるエンド・カンナビノイド・システム(ECS)は、エンド・カンナビノイド(体内で生成される神経伝達物質の一種)、カンナビノイドが結合する受容体、そして、それらを分解する酵素で構成されています。

THCはCB1受容体を活性化しますが、CBDは逆にCB1受容体の活性を抑制します。

CBDは、CB1受容体以外にも、いくつかのターゲット分子に結合して、人体と相互作用します。

たとえば、脳内には少なくとも12のCBD作用部位があり、CBDは複数の経路を同時に活性化することで、治療効果を引き出す可能性があります。

CBDとエンド・カンナビノイド・システムの相互作用により、リラックス感や気分の改善がもたらされるかもしれません。

さらに、CBDは健康分野でも人気があり、その専門家や消費者の多くが、健康管理の一環としてCBDを取り入れています。

CBDは一般的な健康促進法として役立つだけでなく、慢性的な痛みの治療や炎症の抑制・不安感の軽減などにも効果があることが、科学研究や、CBD使用者の事例によって示唆されています。

また、神経痛、アルツハイマー症候群、多発性硬化症など、さまざまな症状の治療にも効果が期待されています。

ただCBDの有用性について明確な結論を出すためには、さらなる研究が必要です。

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CBDを使うと良い気分になる?

CBDは酩酊作用のないカンナビノイドです。

その健康上のメリットはご存知かもしれませんが、CBDが体内に取り込まれると、どのような感覚になるのでしょうか?

CBD商品を使った多くの方々からは、リラックスした感じや落ち着いた感覚になるなど、ポジティブな効果があったと報告されています。

しかし、CBDから得られる感覚は、CBD商品のタイプ・CBDの総摂取量・個人の体質など、いくつかの要因によって決まります。

ヨガをしているシーン
▲CBDにどのような効果があるかは、使用する人の体質や、商品の種類によって異なります(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)

あなたが求める治療法や症状によって、効果的なCBD商品は異なります。

たとえば、CBDを配合した塗り薬は、特定の部位の痛みを局所的に緩和できると報告されています。

一方、CBDとTHCの比率が1対1のCBDオイルは、睡眠のサポートに適しており、THCの含有率によっては酩酊感を感じることもあります。

CBD商品自体の処方タイプや品質に加え、個人別の特徴(体重・食生活・代謝・服用している薬・遺伝・症状など)も、CBDの治療効果に影響を与える可能性があります。

CBDの効果は、個人間の違いだけでなく、使用時の健康状態によっても左右されます。

症状によっては、CBD商品のタイプごとの有益性があるでしょう。

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慢性的な痛みなど、CBDの健康上の利点

CBDは、さまざまな健康問題に役立つことが知られています。

たとえば、慢性的な痛みをやわらげる方法として、CBD商品がよく使われています。

多くの患者から、CBDは処方薬に頼らない自然な代替療法と見なされています。

CBDがよく用いられる症状を、以下にご紹介します。

  • ニキビ
  • 不安感および不安障害
  • 炎症
  • 痛み(特に慢性、炎症性、神経性の痛み)
  • 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
  • 発作

また、CBDには抗てんかん作用があることが知られています。

FDA(米国食品医薬品局)で承認された唯一の大麻由来の医薬品は、2つの難治性小児てんかんのCBD治療薬です。

CBDの神経保護作用は、多発性硬化症・パーキンソン病・アルツハイマー病などの患者にも有効であると考えられています。

最後に、CBDは高血圧の改善に役立つことが示唆されています。

健康な成人男性を対象に行ったある研究では、1回のCBD服用で血圧が下がったというデータが得られました。

現在、これらの症状および類似する症状の治療に、CBDが役立つことを示す重要な事例証拠があります。

また、信頼性の高い、査読済み医学研究も増えています。

しかし、CBDの健康効果の全体像を把握するためには、ランダム化臨床試験など、さらなる研究が必要です。

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CBDオイルの効果は商品タイプによって異なる

数々のCBDオイル商品を目にしても、それらの違いはほとんどないように思えるかもしれません。

しかし、すべてのCBDオイルで、同じ効果を得られるわけではありません。

実際のところ、CBDオイルの効果は、商品ごとに大きな違いがあります。

ヘンプ(産業用大麻)由来とマリファナ(嗜好用大麻)由来のCBDオイルの違い

CBDを生成する大麻草には、大きく分けて「ヘンプ(産業用大麻)」と「マリファナ(嗜好用大麻)」の2種類があります。

CBDはどちらから抽出しても同じ分子構造ですが、両者はCBD以外の成分の組み合わせが異なるため、どちらの大麻由来のCBDオイルかによって、その効果も異なります。

さらに「このCBDは合法なのか?」という大きな疑問に対し、その原料がヘンプなのか?マリファナなのか?を知っておくことは重要です。

通常、ヘンプは繊維と種子の活用を目的に栽培されます。

アメリカでは、THC含有率が0.3%以下であれば、ヘンプは合法とされています。

そのため、ヘンプ由来のCBD商品にはTHCがほとんど含まれておらず、使用しても酩酊することはありません。

一方、マリファナ由来のCBD商品は、THCの含有量が多い大麻から抽出されます。

マリファナ由来のCBDオイルは、ヘンプ由来の商品に比べてTHCの含有量が非常に多いため、使用の際にはTHCの影響に注意する必要があります。

これらの商品は、成人向け嗜好品の大麻や医療用大麻として、一部の州で合法的に販売されていますが、連邦レベルでは依然として違法とされます。

このため、THCを含むCBD商品を購入したい場合は、お住まいの州におけるマリファナの取扱いに関する法律を確認してください。

▶︎ CBDとTHCの違いとは?
▶︎ 日本の法律に基づいた記事はこちら▶︎ 【弁護士監修】日本のCBDオイル。違法?合法?

CBDオイルとCBDクリーム
▲すべてのCBDオイルが、同じような効果を得られるわけではありません。さまざまなタイプのオイルが販売されているので、その商品が何に由来するものなのか確認してください(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)

THCによる酩酊は避けたいものですが、CBDとTHC、その他のカンナビノイドは、同時に摂取することで「アントラージュ効果」と呼ばれる相乗効果を発揮します。

たとえば、CBDをTHCと一緒に摂取すると、高濃度THCの摂取に伴う被害妄想や不安感が減る傾向があります。

また、他のマイナーなカンナビノイドやテルペンが含まれている場合も、最終的な効果に影響する可能性があります。

CBDオイルの3つの主な種類

CBDオイル商品は、ヘンプ由来かマリファナ由来かの違いだけではなく、他のカンナビノイドなどの成分が含まれるかどうかによっても、使用効果は大きく異なります。

ここでは、CBDオイルの3つの主な種類について紹介します。

フルスペクトラムCBDオイル

フルスペクラムという表示は、大麻由来のテルペン・CBN(カンナビノール)、CBG(カンナビゲロール)、ならびに重要な成分であるTHCなど、あらゆるカンナビノイド類が抽出の過程で除去されていないことを意味します。

フルスペクトラムオイルは、さまざまなアントラージュ効果を十分に発揮してくれます。

ブロードスペクトラムCBDオイル

ブロードスペクトラムCBDオイルは、フルスペクトラムと同様に、大麻のカンナビノイドのほとんどを含んでいます。

しかしTHCを除去する抽出工程を経ているので、ハイになる心配はありません。

その上で、他のマイナーカンナビノイドやテルペンの効果を享受することができます。

CBDアイソレート

CBDアイソレートは、結晶性の固体、または白い粉末の状態で販売されています。

これは、他のカンナビノイド、テルペン、フラボノイドなどが一切含まれない、純度約99%のCBDです。

THCやその他の化合物がすべて取り除かれているCBDアイソレートは、消費者が入手できる、最も純度の高いCBDといえます。

CBDのアイソレート(クリスタル、粉末)
▲CBDアイソレートは、酩酊作用のないカンナビノイドであるCBDを精製したもので、純度99%以上のCBDを含んでいます。(写真:ジーナ・コールマン/ウィードマップス)

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CBDオイルの副作用

CBDにはTHCのような副作用はありませんが、その他の副作用の心配はないでしょうか?

WHO(世界保健機関)が発表した論文では「ヒトにおいて、CBDは乱用や依存の可能性を示す作用はない」とされています。

しかし、それでも好ましくない副作用があるかもしれません。

CBDは、他の多くの医薬品に比べ、副作用の面ではるかに優れていることが研究で明らかになっていますが、大量に摂取した場合は副作用が発生するおそれがあります。

たとえば『Cannabis and Cannabinoid Research』誌に掲載された2017年の論文によると、CBDは安全性において優れた性質があるとはいえ、疲労感や下痢、食欲や体重の変化などの副作用があったことが研究参加者から報告されました。

人によっては、CBDの副作用で、吐き気や易刺激性(イライラしやすくなる)などの症状を引き起こす可能性があります。

マサチューセッツ総合病院の医師で『Harvard Health Blog』の寄稿者であるピーター・グリンスプーン博士は、2018年の投稿記事において「CBDの副作用には、吐き気・疲労感・易刺激性などの症状があります」と述べています。

CBDがヒトの免疫系に悪影響を及ぼす可能性も示唆されています。

ある研究論文では「CBDには免疫抑制作用がある、という主張を強く裏付けるデータが得られた」と結論づけています。

大麻に関する他の件と同様、CBDや他のカンナビノイドが、人体とどのように相互作用するのか完全に理解するには、さらなる研究が必要です。

一方で、CBDのような大麻由来の化合物は、処方薬に頼らない痛みの治療から、高血圧や心臓の症状の改善、健康の促進に至るまで、さまざまな健康上のメリットを求める人々に人気があります。

CBDオイルを含むCBD商品の使用を始める前には、かかりつけ医に相談し、医学的なアドバイスを受けることが重要です。

また、現在服用している処方薬や、薬物相互作用の可能性についても、事前に相談しておきましょう。

<参考文献>
ウィードマップス(weedmaps)』アディ・レイ博士によるレビュー(2021年7月7日)
※当サイトでご紹介する商品は、医薬品ではありません。また、病気の診断、治療、予防を目的としたものでもありません。
※記事はアメリカでの法律、研究に基づいて作成されています。記載されている内容について日本国内での適法性や、記載されている内容の正確性は当社は保証しません。
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